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シンガポール就職&転職 企業が求める人材像

2017年8月25日

SHISEIDO ASIA PACIFIC PTE. LTD.  仮説・検証・分析を繰り返し、製品を差別化、魅力的に見せる

Vice President, Prestige Division 永井 達也 さん 業種:化粧品

◆御社の事業内容を教えてください。
当社は2016年1月より、日本、中国、香港を除くアジア、オセアニアにおける資生堂の統括業務を担っています。事業企画、IT、財務、人事などビジネスに関わるすべてを執り行う中で、注力しているのが地域マーケティングです。1つの製品のプロモーションを全世界共通で行うのではなく、各地域のニーズに合わせて展開できるようマーケティングし、売上増に貢献しています。

 

◆求める人材像を教えてください。
マーケティング職含め、さまざまな職種で採用活動を行っています。過去の実績ももちろん大切ですが、それよりも当社の強みをどう伸ばし、弱みを克服するかのアイディアを持っている人が望ましいです。日本の企業であることを強みにグローバルで戦っているため、チームの和を尊重しながら力を発揮できること、かつ日常会話レベルの英語ができることは必須になります。

 

◆マーケターの資質とはどのようなものですか
同ジャンルの製品がある中で自社製品をいかに差異化できるか、業界全体を俯瞰して空白になっているところを見つけられるか。その上で、ターゲットとなるお客様に製品を魅力的に見せ、購買に結びつけられるか。また、リソースが限られる中で、何を実施し、何はやめるべきなのかの判断ができることだと思います。そのためには、街を歩く、人と話すなどの外からのインプットは必要ですが、漠然とそれを行うだけでなく、そこから自分で仮説を立て、検証、分析まで発展させられる能力も必要だと言えるでしょう。

 

◆当地でマーケティングを行う強みとは。
2つあります。1つはお客様の近くに身を置くことで、彼らの興味を早く知ることができることです。例えば、2016年11月に発売した「シンクロスキン グロー クッションコンパクト」。2016年初頭、世界的には認知度の低かったクッション・ファンデーション(スポンジに液状ファンデーションを染み込ませたもの)がアジアで売れ始めているという情報を当社チームがキャッチし、本社と連携して商品化したところ、大成功を収めました。

 

2つめは、多国籍国家・シンガポールでは多様な人種の人材獲得がしやすいこと。マルチナショナルな職場であるほど、国による習慣の違いに気づきやすいのです。その成功事例に、「専科」の洗顔料があります。同製品は豊かな泡立ちを特徴とし、日本では、帰宅して洗顔をするとホッとする、といった夜のシーンを打ち出しています。が、アジアにおいて洗顔はリフレッシュを目的として朝に行うイメージであることを、あるスタッフから指摘されました。そこで訴求イメージを夜から朝へと変えたところ、東南アジアでの売り上げがほぼゼロだった同製品が、クレンジング部門でトップ5に入るアイテムになったのです。

 

◆職場の雰囲気を教えてください。
当社では現在、約70名のスタッフが活躍しており、そのうち日本人は14名、あとはグローバルスタッフ(8ヵ国以上)です。日系企業でありながら、オフィスに漂うムードは外資系に近いと思います。なお、資生堂グループ全体でグローバル化を進めている関係で、日本のオフィスにも外国籍の社員が増えています。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.325(2017年9月1日発行)」に掲載されたものです。

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