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シンガポール就職ケーススタディ

2016年3月3日

資格・スキルを活かす就職 [日本語編]

 

「日本語スピーカー」採用の際の留意点

在シンガポールの日系企業にとって貴重な戦力となる日本語に堪能な外国人人材「日本語スピーカー」。実際に採用を考える際に、どのような点を留意すべきでしょうか。人材紹介会社へのアンケート結果を基にまとめてみました。

取材協力:Find Recruit Pte Ltd, God Job Creations Pte Ltd, JAC Recruitment Pte Ltd, Intelligence Asia Pte Ltd, Pasona Singapore Pte Ltd, Reeracoen Singapore Pte Ltd, RGF HR Agent (S) Pte Ltd

必要な日本語能力とレベルを考えた採用活動を

前回(AsiaX12月7日号Vol.293)の本欄で述べた通り、日系企業の多くでは「日常的な日本語を理解し、いろいろな場面で使われる日本語をある程度理解できる」とされるレベルの日本語能力試験(JLPT)N2以上が求められます。しかし、JLPTは読む、聞く能力を測る試験であり、最上位のN1取得者であっても日本語でのコミュニケーションがおぼつかないケースもあるようです。一方、中級程度のN3の取得者でも会話が得意な人もいます。そのため、各企業において読み、書き、会話のどの能力においてどれだけのレベルが必要なのかを考えた採用活動が勧められます。
また、日本語能力と日本の商習慣を身に付けているということは別です。日本特有の「行間を読む」「空気を読む」ことは日本語スピーカーには難しいため、業務内容によって日本人と日本語スピーカー、どちらがふさわしいかを考慮する必要があります。

コスト削減のために採用する時代は終わり

さらに注意すべき点としては、N1取得者や日本の大学を卒業した日本語スピーカーで、就労ビザ取得の必要がない候補者は引く手あまたで、短期間で転職されてしまうというリスクもあります。コスト的にも日本人を採用する場合と同じか、もしくは高くなる場合もあり、コスト削減のために日本語スピーカーを雇うという時代ではなくなりつつあるようです。
概して日本語スピーカーは、日本の文化に親しみを感じ、仕事への意識も高い人が多い傾向にあります。雇う側の日系企業も日本語スピーカーを戦力として育てていくことが求められているといえそうです。

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