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Employer's Voice

2009年10月5日

人材紹介会社に求めるプロのサービス品質(2)

野村総合研究所シンガポール 社長 小竹 敏 業種:情報サービス

前回、企業として人材紹介会社のサービスに期待するものをお話しましたが、弊社においても、一年以上も探し出すことのできなかった人材が、ある人材紹介会社にお世話になり、そのプロフェッショナルなお仕事によって、この半年で2名もの優秀な人材を紹介していただき、現在弊社にて大活躍をしていただいています。入社後の社員のフォローアップケアもしていただいているようです。その人材紹介会社では、企業の求める人材像を丁寧にヒアリングし、ヒアリング結果をさらにレビューして確認をしてくれます。一方、紹介候補者とも綿密な面接を行って、履歴書からだけではわからない人柄や態度、新たな職に対する意気込みなどを我々に紹介する前に確認をし、レポートしてくれます。人材紹介会社にとって、商品であるともいえる人材の、いわゆる品質を紹介前に確認するのはある意味当然でしょう。専門の面接官や人材採用担当者をかならずしも置いているわけではない現地企業にとっては大変にありがたいサービスと言えます。

 

人材紹介会社のサービス形態にも様々な形がありますが、単なる情報や人材の仲介ではなく、求人企業と求職者の最適な出会いを演出する、そのためのサービス品質を大切にしていただき、シンガポールにおける人材マーケットの品質レベルの底上げをしていただくとともに、顧客である我々求人企業の満足度を高めていただきたいと思います。もちろんのことですが、採用する側としての責任も十分意識しなければなりません。

 

続いて、求職者に関してもお話したいことがあります。多少苦言めいてしまいますが、ご容赦ください。人材紹介会社に適材としてご紹介いただいたとしても、それが即採用決定につながらないケースがあります。弊社では書類選考と数回の面接で採用の是非を判断いたします。スキルや経験が十分であるかの評価はもちろんですが、応募者のやる気や意欲を見ることも重要な判断基準です。人材紹介会社より候補者をご紹介いただき、面接の日時が決まりますと、弊社の面接はその時点から始まっていると言ってもよいかと思います。実際の面接の時間内でのコミュニケーションだけではなく、その前後の応募者の対応によって、いわばオフ面接で、その方の仕事への意欲や姿勢を知ることができるばかりでなく、基本的なビジネスマナーがきちんと備わっているかどうかのチェックを行う機会となります。書類選考を通ったとしても、残念ながら基本的なマナーを守ることができずに面接に至らなかった候補者の方もいらっしゃいます。つまり、お客様とのアポをきちんと守ることができる、必要に応じてきちんとお客様との調整ができる、などビジネスを行う上で極めて常識的な対応ができるかどうかを面接時間外の態度によって判断しているわけです。求職をされている方々には、本気で自分に適した企業や仕事を見つけていただきたいし、求人側の我々も、適したスキルやノウハウを提供してもらうだけでなく、我々のビジネスに共に意欲を持って取り組んでくれる方に来ていただきたい。そのための重要な判断材料としています。

 

未曾有の経済不況を乗り越えよう、競合他社に打ち勝ち、アジアでビジネスを拡大しよう、と必死の企業の一員として活躍するのだという強い意志と覚悟を持って就活に臨んでいいただき、スキルや経験だけではなく、やる気や意欲の意思表示とビジネスマナーを大切にしていただきたいと思います。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.154(2009年10月05日発行)」に掲載されたものです。

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