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2010年4月19日

企業のブランドイメージを高める人材

ISETAN (SINGAPORE) LIMITED 取締役(経営企画担当部長 兼 営業企画担当長・WEB事業担当長) 大塚嘉一 業種:百貨店

近年日本では百貨店衰退の論調が報じられて久しく、従事している者としては悲しい思いをしております……しかしながら、人々の「今よりちょっと、他人よりちょっと上質な暮らしをしたい!」という願望が無くならない限りは、百貨店が生き抜く活路はあるのではと日々精進しております。

 

さて、労働集約的産業の代表格でもあります百貨店(小売業)の人材事情(主に販売スタッフ)について、少し触れさせていただきたいと思います。

 

  1. 多様な価値観を持つ販売スタッフ
    弊社でもシンガポールのお国柄を反映して、シンガポール人・日本人をはじめマレーシア・中国・フィリピン・ベトナムなど、多国籍のスタッフが働いています。日本では、就業形態の違い(フルタイム・パートなど)による価値観の多様化がよく議論されますが、当地ではもっと複雑になります。
  2. 流動性の激しいサービス業従事スタッフ
    週末も出勤しなければならないシフト・営業時間の延刻化傾向による遅い時間帯での勤務・他産業と比べて優位性の低いサラリーなど、より自分に合った働き方・高いサラリーを求めて転職も多く、頻繁な離職&採用が行われているのが現状です。
  3. 新規サービス施設増加による賃金上昇圧力
    カジノに代表される新規施設増加により、徐々に働き手側の売り手市場に推移しつつあり、当たり前ではありますが優秀な人材の確保にはより高い処遇を用意しなければなりません。また政府の2010年の政府案で発表された「外国人労働者賦課金の引き上げ」も気になるところです。
  4. 労働集約的産業における顧客付加価値アップ
    折りしもシンガポール政府の2010年方針にも「生産性の向上」がありますが、私ども百貨店(小売業)に働く者のサービスレベルアップによって、お客さまへの付加価値をさらに上げていくことが重要と考えます。これには、ベーシックなオペレーションサービスの全体底上げと、パーソナルなONE TO ONEのサービスの充実が必要です。
  5. 企業のブランドイメージ
    よく私どもではサービスの公式として、100-1=0と申します。100人の内、99人は良いサービスをご提供できても、1人でもできない人がいれば、その価値は「0」となります。多くのお客さまと接する企業としては、お客さまがどの接点(人)とコンタクトしていただいても「満足」・延いては「感動」を呼ぶものでなければなりません。そして、そこで接客している「人」と、販売している「商品」などで、その企業のブランドイメージができあがっていくと考えます。

 

目指すべきビジョンを多様な人材の中で共有し、お客さまのためにサービスをご提供することが楽しくなる体験を増やしていく、そしてその向上した生産性に見合った処遇を確立する、そんな環境づくりをすることで「百貨店(小売業)で働く方の魅力アップ」を実現したい思いです。

 

当サイトに掲載されている人材に関わる会社のみなさまには、

  • トレーニング(主にサービス)された人材の採用
  • トレーニング(主にサービス)のための企業内研修
  • 卓越したサービスマインド・スキルを持った人材の受け入れ

など、サポートしていただければ、ありがたいと思っております。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.165(2010年04月19日発行)」に掲載されたものです。

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