シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX求人TOP一緒に働く“仲間”としてのスタッフ・講師

Employer's Voice

2010年8月16日

一緒に働く“仲間”としてのスタッフ・講師

GEOS Language Centre Singapore Manager & Marketing 斎藤 由紀 業種:英会話学校

「気が合いそうだし、一緒に働いてみると面白そうだったから……」

 

これが人事担当から聞いた私が採用された理由でした。聞いた時は「本当の理由は何だろう?」と思っていましたが、採用する側になり、そういう考え方も大事だな、と感じました。

 

シンガポール校に着任してから半年になります。今まではイギリス、アイルランド、ニュージーランドとなぜか島国ばかり、日本を含めて数多くの学校を見てきました。国民性などを比較しても、ここシンガポールは一番住みやすく、生活面ではすっかり落ち着きましたが、これからは人材確保、採用の面での苦労があるんだろうな、と身構えております。今回は女性の視点から一緒に働く仲間の採用について触れさせて頂きます。

 

弊社は世界展開する語学学校として、アットホームな環境と担任制で確実に安心して英語を伸ばして頂く、という理念で運営しております。そのため、スタッフ、講師はいろいろな角度から人選をしなくてはなりません。しかし、日本やシンガポールでネイティブ講師を採用するのは、雇う側も雇われる側も海外生活者のため、1年から2年で本国に帰国してしまう事が多く、一年中採用に追われます。また、スタッフは母国語が英語以外という条件なのでこれもまた外国人。全員が外国人となるとお互いに大事にしている人生観や仕事観に違いがあり、「協調性、サービス精神、自己表現の上手さ」の重要さを感じます。

 

英会話とは形のない商品です。成長もゴールも様々で、スタッフは生徒の方々のニーズを理解し、生徒の方に合っている講師やクラスをご案内する事が重要です。また、講師も目標までの最速の手段を個々に合わせて推進し、スタッフと一丸になってサポートをし、担任として一緒に達成する喜び、それが仕事のやり甲斐となります。

 

採用の段階でフレンドリーさと熱心さを感じても、「人を敬う事ができる」という大事なポイントが抜けていると仲間として働けません。仕事はお金を得る手段としてしまうのは一生の大事な時間を無駄にしています。生徒の方にコースの希望を伺うのと同じ様に、求職者と企業の正直なコンディション、希望、ビジョンを伝え合い、仲間となった時には双方がどう努力をしてゆくかが大事だと感じます。

 

そして、求職者の方も、ご自身に合った環境を手に入れる為に飾りすぎない本当の自分の希望というのを再確認する必要があるのではないでしょうか。

 

この業界に居る限り、スタッフの入れ替わりはやむを得ないことですが、この期間ここで働いて良かった、と思える環境作りに企業は努力してゆくべきだと思います。

 

4月、ジオスの本社が倒産、新しい経営母体のG-コミュニケーションと契約締結し、健全な体制で再スタートをしました。当校は以前から独立採算制を取り、黒字経営で運営に問題はなかったのですが、生徒の方々にはご心配をおかけ致しました。講師、スタッフにも心配をかけました。他社では先行き不安からチームがごっそり抜けたというニュースを見ましたが、当校の講師が一人も抜けず、レッスンも休まずにできたのは、やはり生徒の方々からの支えがあったからだと思います。心配をして飲み物を届けてくださったり、ご夫婦で励ましに来てくださったり、忙しいだろうからと問い合わせ時期を遅らせたり、曖昧な説明しか出来ない状態を理解して頂けた事に驚きました。改めて日本人を尊敬し、自分が日本人である事に喜びを感じました。講師はその様子を見て、日本企業で働けて良かったという言葉をくれました。

 

クレームはカスタマーボイスとして大事に受け取り具体的な対処をする、悪いフィードバックだけではなく良かった点も同時に見つける。チームとして最終ゴールを設定しみんなで目標を達成する。部下、上司関係なくお互いに学ぶ姿勢を持って育成をし合える様なチーム作りをして行くのが業績を伸ばす力となると思います。理想論ではありますし、まだまだ失敗ばかりですが、「Where there is a will, there is a way」をモットーに頑張りたいと思います。

 

新しい経営母体は多角経営の為、ジオスシンガポール校も更なる発展をしてゆきます。これからは英会話だけに留まりません。スタッフも増員し、新生ジオスとして、ひとりでも多くの方に喜んで貰えるものを提供してゆくことで、日本の企業として大きく成長し、日本経済にも貢献できたらと思います。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.173(2010年08月16日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX求人TOP一緒に働く“仲間”としてのスタッフ・講師