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2012年3月19日

日本・アジアの将来を築く大きな志を抱け!

Microsoft Operations Pte Ltd シニア プログラム マネージャー 岡田兵吾 業種:情報・通信・サービス業

私は来星9年目で、大学卒業後、外資系コンサルティング会社2社と現職マイクロソフトの3社にて15年間、日本・米国・シンガポールを拠点に業務・ITコンサルタントとして仕事してきました。2年前からは現職にて、アジア域内のオンラインビジネスの新規立ち上げ、業務改善に従事しています。

幸いにもグローバルで活躍されている方々と仕事する機会をいただき、また欧州ビジネススクールに通ったこともあって、本当に多くの国籍の異なる優秀な方々と出会うことができました。この様な世界の優秀な方々との出会いから、私なりにグローバルリーダーに必要な資質が見えてきた気がします。アジア進出・グローバル化が注目されている今、このグローバルリーダー像について紹介させて頂きたいと思います。

昨今、日本ではグローバルで活躍するためには、語学を含めたコミュニケーション力、論理的思考等が必要だと言われていますが、私が実際に見て感じてきた事とは大きな隔たりがあると感じています。

弊社では、以下の6つの価値観を持ち、行動することを求められています。

  • Integrity and Honesty(誠実さと正直さ)
  • Passion(情熱)
  • Open and Respectful(率直さと敬意、他者の向上への専心)
  • Big Challenge(果敢に挑戦すること)
  • Self-Critical(常に自戒し、内省し、向上心に富み、自己改善に努めること)
  • Accountable(自らの取り組み、その結果について説明できること)

上記の価値観を基軸にしながらも、グローバルリーダーとして活躍する方々は大きなスケール感を持ち、常にそれを示しているように思います。確かに日本で論じられているように、語学を含むコミュニケーション能力、論理的思考法等は大切です。国籍・年齢・性別が混在する社内環境の中で、リーダーとして活躍している方々が兼ね備えている資質・能力としては、これらのスキルとは別次元の価値観で、多様性富む人々を魅了する、人としてのスケール感、強いて云えば「大きな志」が必要だと思っています。

私の元上司でフィリピン人の友人と”人生の夢”を語り合っていた時のことです。彼が「将来フィリピンの大統領になり、様々な社会問題を解決するために米国ハーバード大学に入学した」と言ったことに驚かされました。本気で大統領を目指していた、彼の志に圧倒されたことを覚えています。

彼だけでなく、グローバルで活躍されている方々は皆同様です。リーダーとして会社の皆に、そして世界・社会をどのように良くしていけるのか、どのような貢献ができるのかについて、大きな志を持ち、それが実現するよう行動しています。私は昨年の3.11震災以降、個人のCSR活動として、東南アジア・日本にて、人材育成支援、貧困層向けボランティア、非営利団体向け経営支援をサポートさせて頂いているのですが、この様な方々が集まる会社なので、活動への積極参加に対する許容はもちろん、応援してもらっています。

日本人が小さなスケール感しか持てないと言うつもりはありません。実際に本当に多くの素晴らしい日本人ビジネスマンにもお会いしてきましたし、我々日本人はアジア・世界をリードしていく十分な資質があると考えています。従来から、海外からの日本・日本人・日本文化への評価は高かったのですが、昨年の3.11震災時以降、日本人の人間として素晴らしい節度、品格、他人への配慮が世界中の人々の感動を生み、日本人の良さが再評価されています。しかし、日本人は完璧主義で恥を恐れる文化があり、空気を読みすぎ突出を避ける意識が、意見を発言することを躊躇させ、強いては大きな志を目指し実行することへの妨げになっている気がします。

アジアそして世界は、人種・宗教・言語が異なる多様性に富む市場です。国籍・年齢が豊かな社内環境の中で、リーダーとして活躍し、現地の人材を魅了し、更なる発展を目指すには、日本人市場だけでなく、現地の発展への貢献を強く願い、現地の人材・文化を尊重し、敬愛の想いでもって挑む強い志が必要となってくるのではないでしょうか。

日本人は表には出さないが胸の内は熱く志高い人種だと思っています。勇気を出してアウトプット方法を変えることで日本人グローバルリーダーが多く誕生し、この変革が必要な時代、皆でスケール大きく日本・アジアの将来を築く事を願っています。Stay Gold!

 

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.208(2012年03月19日発行)」に掲載されたものです。

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