検索数で見るシンガポールの人材動向

当社はWebに特化したマーケティングサービスの企業で、それに付随してWebサイトの制作やWebはもちろん、一般、専門翻訳等も提供しています。本社は東京にあり、シンガポール法人をはじめ、韓国、台湾、香港、タイに拠点があります。シンガポール法人は2010年11月に開設し、もうすぐ丸2年が経過し、シンガポール市場にやっとつま先だけ入れさせていただいたかな、と思っています。

当社のWebマーケティングのビジネスの中でも大きな割合を占めるのがSEO（Search Engine Optimization：検索エンジン最適化）と呼ばれるサービスで、GoogleやYahoo!といった検索エンジンでキーワード検索された際、その検索結果のページに企業のホームページやサービスページを上位表示させるソリューションを提供しています。当然、上位（特に1ページ目）に表示された方が多くの方にサイトを見てもらうことが可能なため、今日では多くのマーケッターにWebマーケティングの基本として認識されています。

前置きが長くなってしまいましたが、このような仕事をしているため、普段から任意のキーワードが月間でどのくらいの検索数になるのか、つまりどのくらいの人が任意のキーワードで検索をしているのかを調査する機会が多くあります。そこで、シンガポールで良く検索されている転職や仕事探し系のキーワードをご紹介したいと思います。

まず、シンガポールにおいて仕事を探す際に一番多く検索されているキーワードは何でしょうか？答えは圧倒的に「job」または「jobs」というキーワードになります。検索数は双方合わせると220万回／月に及びます（Google社が公表しているデータを元にしており、以降すべて同様です）。これだけ見てもシンガポール在住の方がいかに日常的に転職を意識しているかを伺い知ることができます。次いで、「work」や「Singapore jobs」、「jobs in Singapore」など当たり前に思いつくキーワードが多く検索されています。バリエーションとしては「career」、「employment」、「recruitment」、「vacancy」などもそれぞれ2万回／月を超えます。

視点を少し替えて、人気の業界という観点から見てみるとします。業界名が入るキーワード中で最も検索回数が多いのが「IT job」というキーワードで100万回／月の検索数があり、IT以外の業界のキーワードと大きな開きがあります。この開きは個人的には意外でした。次いで、「bank job」1万2,100回／月をはじめ、「service job」、「engineering job」、「hotel job」、「retail job」、「medical job」などが続きます。それ以外、「travel job」、「trading job」、「food job」など以降はほぼどんぐりの背比べでした。

続いて、職種の観点からも検索数を見てみます。職種と思われる言葉が入っているキーワードの中で、「engineer job」が一番多く検索されており、9,900回／月の検索数があります。その他「assistant job」8,100回／月、「sales job」6,600回／月と続きます。この後に「marketing job」、「designer job」、「admin job」、「hr job」、「finance job」、「analyst job」、「accounting job」、「research job」、「legal job」などと続きます。これも私にとっては意外な結果でした。

どの時期が最も求職ニーズが活況かという季節要因の観点から月別で検索数のデータを見てみると、思ったよりも季節要素での差異は少ないようです。予想通り11月〜1月くらいまでは比較的人が流動しない時期で、後は大きな差異はなく、多少の山谷はあるものの、気にするほどのものではないかもしれません。

総じて、シンガポールは今IT業界で、エンジニア職のニーズが多いということがわかりました。また、サービス業のニーズも多くあるようです。職種だと営業職やマーケティング職が人気のようです。

検索キーワードは無数に存在するので、もしかしたらピックアップしきれなかったキーワードもあるかも知れませんが、検索数＝市場のニーズと言い換えることができると思います。あくまでも参考値としてお考えいただき、少しでも何かお役に立てれば幸甚です。