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2012年11月19日

人材は財産

Sky & F Pte. Ltd ジェネラルマネージャー ウン・ユー二ー 業種:ITサービス

Sky & F Pte Ltd(スカイ&エフ株式会社)は2010年にITサービスプロバイダーとしてシンガポールで設立しました。私は日系、外資系、ローカルIT会社の営業として長年勤務してきました。2010年に辞職する際、今までの営業経験で築き上げた知識とネットワークを生かし経営者として会社を始める決意をした次第です。

弊社のサービスは、①会社の移転に伴うまたは既存データセンターへのIT機器の移設、②アプリケーション開発、③ネットワーク・セキュリティー、④システム・アプリケーションサポート、⑤ヘルプデスク、⑥駐在(オンサイト)テクニカルサポート、お客様の満足度を第一に心がけ、サービスの品質には常に注意を払っております。

  1. リソース確保のために
    “IT”は業務を遂行する道具にすぎず、作業を簡易化、自動化するという、ドライな感覚があります。しかし、その道具を導入するには経験とスキルを持った“人”が必要になります。また、導入後の運用、サポートにも“人”が欠かせません。
    要件に合った人員を探すことは、容易な事ではありません。その理由は技術的な要素や、お客様の予算、時期にあります。
    ご存知かもしれませんが、現在、シンガポールでの外国人雇用枠制限が一段と厳しくなっています。お客様の予算に合った、かつ特定の技術を持つ人材となると、これまではやはり外国人の雇用に頼ってきました。今後はそれが難しくなる=価格の上昇が避けられなくなります。お客様にその分の価格を転嫁するわけにはいかない場合、新しいサービスモデルを考える必要があります。
    会社勤務の“雇われる側”だった頃には、シンガポールの雇用制限、雇用条件などは他人事でしたが、経営者になった今、“雇う側”の悩みが身にしみてわかるようになりました。
    経営者にとってお客様の保持ももちろん大切ですが、従業員もお客様と同等のレベルで大切なのです。弊社では従業員に長期間勤務してもらうため、キャリアパス、カウンセリング等、小さい会社だからできる従業員との親密な接点を持つように心がけております。特にお客様のところで仕事をする駐在オンサイト要員については、会う機会もあまりないため、定期的な電話でのインタビューの実施により業務上の疑問点等の聞き取りをしております。
  2. サービスのオフショア化、国によるお客様の違い
    現在のシンガポールの雇用制度+インフレ+お客様の予算を考慮すると、サービスのオフショア化をせざるをえない状況です。ただしサービスの品質を保つために良い人材を確保するというのは、国境を越えても変わらない条件となります。
    また、お客様によって求められるものも異なってきます。たとえば、日本のお客様とシンガポールのお客様では以下のような違いがあります。

    • 日本のお客様
      要件が細部までは決まっていないことが多く、案件をクローズするまで時間がかかる。サービス品質重視だが、一度信頼関係を築ければ、長くお付き合いして頂ける。
    • シンガポールのお客様
      要件はRFP(Request for Proposal、提案依頼書)で決まっていて、ソリューションの選択、提案がしやすい。サービスに不満があると、あっさりと契約を切られる事もある。
      最近は日本も景気が悪化しているため、日系のお客様も価格にシビアです。我々にも限られた予算の中で、期待に応えられるサービスをどのように上手く提供するかが問われてきます。
  3. シンガポールで働く日本人
    ここ2~3年、シンガポールでは現地採用の日本人が増えてきているように思われます。
    日系企業は、リーマンショック以前は日本からの出向者をシンガポール現地法人で比較的多く受け入れてきていましたが、リーマンショック以降、どの日系企業も出向者削減の傾向にあるように見受けられます。現地法人で出向者に掛かる費用の負担と、シンガポール現地で採用した場合の費用の差が倍以上であれば、必然的に現地採用を選ぶでしょう。
    人材は財産。会社の繁栄は、良い人材とそのマネジメントにあると思います。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.224(2012年11月19日発行)」に掲載されたものです。

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