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2013年10月7日

部品製造業の市場開拓に必要な力

Unitech High Precision Pte. Ltd. マネージングダイレクター 加藤 尚弘 業種:精密金型部品製造、販売

私は2012年2月に半導体、電機、自動車などの分野で使用される精密金型部品を製造している(株)ユニテックの初の海外販売拠点立上げのため来星しました。既存顧客が全くない状況から、東南アジア市場における市場開拓、製品販売活動、生産を委託する現地提携工場の開拓などを行っており、シンガポールに限らず、市場、顧客のある周辺各国を回っています。まだスタートして2年弱ではありますが、これまでの活動をふまえて東南アジアに新規で進出し市場開拓を行っていく上で、現地担当者が身につけるべき人材像を、自分の目指すべき姿という意味も込めて述べてみたいと思います。

東南アジア各国は既に多くの日系製造業が進出しているため、当方もお客様の多くは日系企業であり、こうした企業の日本人の方とビジネスを行う上で必要な基本的スキルは日本と変わらないと思います。しかし、現地の市場により深く入っていこうとすれば日系、現地系企業を問わず現地の人たちと直接やり取りをすることが不可欠であり、日本とは異なったそれぞれの国特有の人間関係や商習慣を前に困難に直面することもあります。そうした局面でもそれを好機ととらえ、常になにかつかんでやろうと前向きに取り組んでいくことで、お互いを理解し、長期的な関係を作っていくことができると考えています。
海外で仕事をするというと、まず語学力といわれることが多いようです。確かに意思疎通をスムーズに行い、より深い関係を作るためにも語学力が高いに越したことはありませんが、それ以前に相手に話を聞いてもらう、相手を引き付ける力をつけることが重要であると思います。これについては常に自身、自社のビジョンを的確に伝えるとともに、相手の意見もしっかりと聞いて理解することを心がけています。
東南アジアで仕事を進めると、異なる文化を持った多くの国の人々と同時に接することになりますが、常に相手を尊重し、双方が理解しあえるよう心掛けることは、どこの国でビジネスをする上でも変わらない原則だと思います。また、市場の状況の変化が早く、意思決定のスピードも速いため、時には現場で自身が即断即決することも必要となります。そのために日本側とのコミュニケーションを密にとり、常に方針を共有しておくことが必要となります。

まだまだ道半ばではありますが、これらを日々心がけ、アジア、日本の双方にメリットをもたらすことのできる、持続性のある事業を創り上げていきたいと思います。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.243(2013年10月07日発行)」に掲載されたものです。

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