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2014年4月9日

シンガポール人のプレゼン能力に魅せられて

Authorized representative of AIA Singapore Financial Services Consultant 田中 深幸 業種:保険

社内や業界内でのワークショップや講演会などに参加する機会が増えています。いつも感心するのは、シンガポール人のトレーナーやスピーカー達のプレゼンテーション能力の素晴らしさです。相当訓練されているのか生まれ持った才能なのか、彼らの一挙手一投足に釘付けになります。当然のことですが、誰一人として原稿を読む人はいませんし、スクリーン上のパワーポイントをただ読み上げるだけというのもありません。ボディランゲージが豊富だし会場全体をよく動きまわり、自分の言葉で話し滑舌もしっかりしていて声量も十分です。硬軟まぜたジョークも取り入れつつ、中には「そんな信じられない出来事が起こるものか」「よくもそんなおあつらえ向きのたとえ話があったものだ」とにわかに信じ難い話がぽんぽんと出てきて、「どうせ作り話だろう」と思って、しかし後で調べてみると、しっかりその日の朝のニュースに出ていたなんてこともよくあります。プライベートの話もよくするので親近感をわかせることに一役買っています。また聴衆や受講者側も聴くだけでなくしっかり「参加」をしています。教室全体がエネルギーに満ちあふれています。

人前で話すことが苦手な私を含め恐らく多くの方々は、様々な場面でのプレゼン能力を高めたいと思っていらっしゃることと推察します。セルフプロデュースの定番「エレベータサマリー」について最近学びました。エレベータに乗っているごく限られた時間や突然降ってわいてくるグッドタイミングに、間違いなく簡潔に自分自身(自社)のアピールまたは新企画についての説明をするプレゼン方法です。プレゼンの基本中の基本、最小サイズのプレゼン、しかし最も難しくスキルの必要なプレゼンです。いかに相手を振り向かせ興味を持ってもらいインパクトを残し次につなげるか。特に忙しい人は時間が大切です。

そんな能力を持つ一般シンガポール人も数多くいます。数人での会話中にも、周りの会話の流れに関係なく唐突に自分自身の話を始める人がいます。良いか悪いかはさておき「自分をアピール」し「イニシアチブ」をとることに成功しています。感心させられます。少しは見習いたいものだと……時々思っています。

社会で生きていくためには日々の自己プレゼンが大切です。日本のアイドルの「自己紹介に次ぐ自己紹介!」ではないですが、人生は「自己プレゼンに次ぐ自己プレゼン」の積み重ねなのですね。一瞬の出会いからプレゼンは始まっているのですから、エレベータサマリーを駆使するのみです。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.254(2014年04月09日発行)」に掲載されたものです。

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