

ドイツでは、モルト(麦芽)、ホップ、イースト(酵母)、そして天然水のみを用いて製造したものでなければ「ビール」の名称で販売することができない。このルールはビール純粋令「ラインハイツゲボット(Rein Heits Gebot)」と呼ばれ、ビールの品質向上のために1516年に制定された。その後約500年もの長きに渡ってこのルールが守られてきたことが、ドイツビールの高品質につながり、今日の地位と名声を築き上げている。
「ブロートツァイト」のドイツビールも、もちろんすべてビール純粋令に従って造られたお墨付きのビール。ドイツから輸入しており、現在ドラフト・ビールが3種類、ボトルが10種類揃っている。そのほとんどはパウラナー(Paulaner)またはハッカープショール(Hacker-Pschorr)というミュンヘンのブルワリーで醸造されたもの。
ちなみに、ミュンヘンで毎年秋に開催される世界最大のビールの祭典「オクトーバーフェスト」でビールを出すことが許可されているブルワリーは6つしかないが、パウラナーとハッカープショールはそのうちの2つでもある。
ウィートビアとホワイトソーセージ、それにブレッツェルが揃えば、バイエルン地方の典型的なブロートツァイト。同店で楽しむには、ドイツで一番人気の高いウィートビア、パウラナーの「へーフェヴァイスビア(Hefe-Weissbier)」と、ホワイトソーセージにジャーマンポテト、ザワークラウトが添えられた「ヴァイスヴルスト(Weisswurst)」、そしてバイエルン風ブレッツェル「ブレズン(Brezn)」を頼んでみよう。
「へーフェヴァイスビア」はエール系のビールで、クリーミーな泡の中に閉じ込められたモルトの香りの良さが特徴のひとつ。酵母をろ過せずそのまま残しているのでやや白っぽく見えるが、これがフルーティな甘さをもたらしている。「ヴァイスヴルスト」は、シンガポール在住のドイツ人職人が、新鮮な仔牛肉と豚肉を使い伝統的な製法で造っている。大ぶりな見た目に圧倒されるが、食感はフワフワしていて非常に軽い。朝食メニューとして供されることが多いのも納得。「ブレズン」は、ニューヨークのセントラルパーク界隈のスタンドでよく売っているようなプレッツェルに一見似ているが、それほど硬くなく、中はモチモチとしていて独特の風味があり美味しい。もちろんビールとの相性も抜群。こちらもやはりシンガポール在住のドイツ人職人が、毎朝焼きたてを同店に届けている。
「ブロートツァイト」では、サラダやパスタ、ピザといったランチにピッタリのメニューから、メインディッシュ、デザートまで幅広く揃っているので、ワインと一緒に食事をたっぷり楽しむこともできる。更にうれしいのは、午後12時の開店から深夜の閉店まで、いつでも食事がオーダーできること。週末などにビボシティを訪れて、あちこち歩き回っているうちについランチタイムを逃してしまった、といった場合でも大丈夫。
また、ドイツでは、サイクリングやフットボールなどスポーツの後、ビールとレモンジュース、あるいはビールとスプライトといったビアミックスを飲むのがポピュラー。「ブロートツアィト」にも6種類のビアミックスが揃っているので、ショッピングの後、渇いた喉を潤おしたい場合などにおすすめ。
木材を基調とした同店のインテリアにも、随所にこだわりが見られる。バイエルン地方のビアガルテン(biergarten)では、シンプルな木のテーブルとベンチが並んでいるところが多い。「ベンチであれば、空いている時にはゆったり座って、ちょっと混んできたら詰めて座って、と人数の調整がしやすいでしょう」とベン氏。また、偶然同じテーブルで隣り合わせになったグループ同士が仲良くなったり、交友の輪が広がりやすいのも魅力だ。「ブロートツァイト」でもテーブル席はベンチだが、ゆっくり長時間座れるようにと、革張りでクッションのあるベンチを使用している。
店内に長く伸びるカウンターの奥には、シンガポール人アーティストによって描かれた絵が壁いっぱいに広がっている。ドイツで純粋令に則って製造されたビールが、海を渡ってシンガポールへ運ばれ、パーティアニマル達がそのビールを飲んで楽しんでいる、というストーリーのところどころに、マーライオンやラッフルズ卿などシンガポールらしいものがちりばめられている。
セントーサ島が見渡せる窓からの素晴らしい景色を眺めるだけでなく、こちらの絵にもご注目。
12:00nn〜12:00mn
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