2016年6月23日
【動画あり】「食医同源」の理念に基づいた火鍋の名店
タン・レストラン＆バー
本場の火鍋を求める人達が足げなく通う名店「タン・レストラン＆バー（Tang Restaurant & Bar）」がKeong Saik Roadにリニューアルオープンした。中国大陸では火鍋は1,000年以上前から受け継がれている伝統料理であり、中華圏では1年を通して愛されている料理だ。中華民族の多いシンガポールでもその文化は根付いており、同店ではさらに、「食医同源」の基本思想に基づき、食を通して健康を維持してほしいという女性店主の思いが込められている。また、多国籍の方にも受け入れられてほしいという願いから、店内は心地良いジャズ音楽が流れ、中華料理店とは思えないほど雰囲気は落ち着いているのが特徴だ。
四川省出身のシェフは中医学を元に、40種類の漢方生薬や香辛料を使った独自のスープを5年の歳月をかけて研究した。食材は毎朝市場から新鮮なものだけを仕入れ、化学調味料を一切使用しないというこだわりぶりである。同店では3種類のスープの中から2種類を選び、味を交互に楽しむことができる「2種類のコンビネーション・ポット（Combination Pot with 2 Soup）」（21Sドル）が人気。おすすめのスープは白湯スープの「ハウス・スペシャル・スープ（House Special Soup）」（スープ1種の場合は19Sドル）で、体の芯から温める効能があり、冷え性、慢性疲労、肩こりも解消されるという。また、豚骨と魚骨などを6時間煮込んでいるためコラーゲンが豊富で、女性にはうれしい美肌や整腸作用等の美容効果も期待できる。もう1つのおすすめは「トマト・スープ（Tomato Soup）」（スープ1種の場合は18Sドル）で、ほどよいトマトの甘みと香辛料の辛さが絶妙なバランスを保っている。
毎日店内で作っているという、新鮮な素材を使用した海老の団子「シュリンプ・ペースト・ドーム（Shrimp Paste Dome）」（14Sドル+）、魚をすり潰した団子「ホームメイド・フィッシュ・ペースト（Homemade Fish Paste）」（12Sドル+）、パクチーの風味が口に広がる「ホームメイド・シアントロ・ミートボール（Homemade Cilantro Meat Balls）」（14Sドル+）は、同店の実力が発揮されたメニューであるといえるほど、それぞれの素材を生かした深みのある味に仕上がっている。また、看板メニューの1つである雷魚を薄くスライスした「トランスルセント・スライス・フィッシュ（Translucent Sliced Fish）」（22Sドル+/12枚）は、一緒に提供されるタレとネギや香草等の薬味と合わせると、何通りもの味の変化を楽めるのが面白い。
メイン料理のお肉は立派な霜降りが印象的な「A4ジャパニーズ・ウマミ・和牛ビーフ（A4 Japanese Umami Wagyu Beef）」（36Sドル+/100g）と、日本から直輸入された鮮度の高い「ジャパニーズ・モモイロ・ポークベリー（Japanese Momoiro Pork Belly）」(15Sドル/100g)。とても柔らかく、旨味が凝縮されていて、食感や口当たりは頬が落ちてしまいそうな味わいである。なお同店は、スタッフの方が最適な茹で加減を教えてくれるので、一番美味しく食べられるタイミングでお肉を味わおう。
ランチでも提供している「麻婆豆腐(Mapo Tofu)」(12Sドル+)は舌が痺れるほど刺激的な麻辣（山椒と唐辛子）を使用し、本場四川流の味を再現している。自慢の自家製麺で作る「担々麺(Sichuan Dandan Noodles)」(5Sドル+)は日本人の口によく合う辛さで、〆の一杯にもおすすめだ。店内にはバーもあり、食前、食後でも日本酒やハイボールなどをいただける。家族や友人との食事会、歓送別会やゲストのおもてなしなどで、胸を張ってイチオシできる隠れ家的名店と言えるだろう。