酒、肴、雰囲気。日本の居酒屋文化をシンガポールに

2015年6月、MRTダウンタウン線テロクアヤ駅近くにオープンした「酒空居酒屋（しゅくういざかや）」は、日本の居酒屋文化をシンガポールに紹介し、シンガポール人や在住邦人と共有したいという思いから、日本人とシンガポール人によって設立。仕事帰りに酒を飲みながら料理を楽しめる気取らない空間となっており、多国籍な客でにぎわっている。グループはもちろん、カウンター席もあるので一人でも気軽に立ち寄れる。店の前に屋外席も用意されている。

『酒空』という店名には、酒を飲んでいやなことは忘れて空（から）にという思いと、酒は天の恵みであり、雄大な空に同じという意味を込めているという。店のインテリアのデザインや設計、メニューの制作にいたるまでスタッフによるもので、その完成度の高さに驚かされる。入口の歌舞伎役者の絵や店のロゴもスタッフの手によるものだ。

名物料理の串焼は炭火で焼きあげ、ジューシで食べると口の中で味がほとばしる。焼鳥、つくねのサイズが大きく、満足感たっぷり。そのほか塩辛チーズ、おでん、唐揚げなど定番の居酒屋メニュー、みずみずしく、厚切りで食べ応えがある刺身も提供する。さらに、刺身用の鮮度抜群のホタテとモツァレラチーズ、明太子を炙った帆立明太焼、イカ「黒」揚げ、アスパラ牛肉巻揚げといった同店ならではの工夫を加えた料理も勢ぞろい。

飲んだ後の〆にうれしい牛丼、ネギトロ丼、イクラ丼などのミニ丼もある。

自分たちで実際に飲み、味わいはもちろん、コストパフォーマンスなども考えながら選んだという日本酒のリストは、シンガポールには初登場という「菊水の辛口」（新潟県）など約40種類。焼酎や女性に人気の梅酒、ゆず酒も豊富に揃う。

月曜から金曜はランチタイムも営業しており、串丼、親子丼、ネギトロ丼、牛丼、おでんとそば、鳥カツ白いカレーなどランチメニューを提供している。