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イベント内容

実録!ザ・マーライオンホテルができるまで「ザ・マーライオン・ホテル」いよいよ着工!

開催日
2011年3月13日
2月9日現在のマーライオンの様子

マーライオンが水を吐き出すのを止めた。現在、マーライオン公園を訪れると、何やら修復工事でもしているかの様に見える。実は、マーライオンを取り込んでワンルームのみの高級ホテル「ザ・マーライオン・ホテル」が建設中なのだ。3月13日〜5月15日まで一般公開されるシンガポールビエンナーレ2011「OPEN HOUSE」の出展作品のひとつとして、東京とベルリンに拠点を置くアーティスト、西野達(Tatzu Nishi)氏が手がける注目のインスタレーションアートなのである。

ザ・マーライオン・ホテルの完成予想図

 

西野氏によるホテル内装のドローイング

ビエンナーレへの招待が決まり来星した氏は、「とにかく町歩きをしながら作品のアイディアを得るのが自分のやり方。第一希望だったマーライオンのホテルの他、フォートカニングのテレビ塔やシンガポール川沿いのラッフル像を使う別のアイデア、ラッフルズプレイスの駅前の画面で映画館を作るなどの案も合わせて提案しました」と、その事始めを語った。

 

 

その西野氏のアイディアを叶えるためには、シンガポール政府観光局のサポートが必須となるのだが、マーライオンはシンガポール観光の象徴として、その肖像権の管理などデリケートなことで知られている。今回マーライオンを作品に取り込むことを許可されたことについて、これまで世界の都市であらゆるインスタレーションを手がけてきた西野氏自身はもとより、周囲も相当驚いたという。モニュメントを使ったホテルの作品は、過去4回手がけてきたが、今回は初めてバスタブ付きのバスルームを併設し(これまではシャワーのみ)、ホテルのレセプション、ハウスキーピングなどはフラトンホテルが担当するなど、高級ホテルの名に恥じない徹底したコンセプトを具現化する。現時点の制作上の苦労について、「建設の時間に余裕がない事。ホテルを営業するには、建物や宿泊客の安全面、宣伝、予約方法、クリーニングなど、あらゆる事に気を配らなくてはなりません。それらを同時進行させている最中です」と、西野氏は言う。

 

 

今年で3回目を迎えるシンガポールビエンナーレでは、世界30ヵ国から63組のアーティストが参加し、シンガポール美術館、シンガポール国立博物館、オールド・エアポートのメイン会場を中心に150もの作品が展示される予定だ。今回のテーマである「OPEN HOUSE」とは、ハリラヤや旧正月などの際に、自宅に大勢の人を招くようなシンガポール特有の異文化の共生を象徴する習慣に由来するものであり、公共とプライベート、内面的なことと外界との境界を行き来することもそのコンセプトに含まれている。ビエンナーレ期間限定の「ザ・マーライオン・ホテル」は日中無料で一般公開され、閉館後は事前予約をした一組が実際に宿泊する事が可能。その貴重な経験は、まさに「OPEN HOUSE」を体感させてくれるはずだ。

西野達(Tatzu Nishi)

1960年名古屋市生まれ。現在、ベルリンと東京を拠点に活動する。武蔵野美術大学を卒業後、1987年にドイツに渡り、ミュンスター芸術アカデ ミーで彫刻を学んだ後、1997年から主にヨーロッパで活動。都市を舞台とした、人々を多く巻き込む大胆で冒険的なプロジェクトを数多く発表。作家名を変えていく事でも知られる。www.tatzunishi.net

The Merlion Park, Singapore

2011年02月12日
文= 桑島千春

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