「今回のビエンナーレは、目にも楽しく、テーマでもある『Wonder(驚き)』を存分に感じさせてくれる作品が多いので、是非たくさんの方に訪れて欲しいです。」と、日本語ボランティアガイド16名を率いる田村英子さんは言う。現代アートと聞くだけで臆するのに、しかもパンフレットや解説は全て英語、となるとシンガポールビエンナーレに足を運ぶのをためらう読者もいるかもしれない。そんな読者に朗報なのが、サウスビーチディベロップメントとシティホールの2会場で定期的に行われる日本語ボランティアガイドによるガイドツアーのサービス。そのガイドの大多数が、ビエンナーレ以外でも、国立博物館、アジア文明博物館、国立美術館などで日本語ガイドを務める経験抱負なボランティアばかりだ。
実際にいくつかの作品をガイドの片岡久美子さんと一緒に見て回る。ある作品の前で、アーティストの生い立ちの説明を簡単に聞いた後、「さて、この作品には、どんなワンダーが隠されているか、探してみて下さい。」と問いかけられる。受動的なモードは一転し、自分から宝探しをするような気分で作品の中に入り込み、左右を見渡す。そんなわくわくするような体験の手助けをしてくれるのが彼らであり、普段はなかなか接触する機会の少ない現代アートに知らぬ間に浸り、五感が刺激されている自分に気付く。
「ビエンナーレの作品は、大人だけでなく子供も一緒に家族で楽しんで頂けます。子供の視線というのもとてもユニークですよ。」と片岡さんは言う。
作品や展示物の詳細を一方的に説明するのではなく、アーティストが教えてくれた制作過程での裏話などを添え、観る人がアートを考える方向付けのお手伝いをするのが我々なんです、と同じくガイドの山田いづみさんはその役割を説明する。
ビエンナーレという性質上、設置場所に合わせた作品を作り込むアーティストも多いので、作品情報などの資料が揃うタイミングは、開幕も近い2週間前だったという。しかし、それをハンデに感じさせない程、情報量も豊富でそれぞれの作品に精通していることに驚く。60名を超えるアーティストとその作品情報を、16名が手分けをして英語から日本語に翻訳し、アーティストと作品のエピソードなどユニークな情報が得られれば、Eメールを通して共有しながらガイドに備えたという。限られた期間の中で、それぞれがガイドを担当する機会は多くはないが、妥協のない勤勉な姿勢には脱帽させられる。「初めて出会う来場者の方とも、作品を介してその場ですぐコミュニケーションが生まれる。そこから自分自身もいろんな発見ができることがやりがいですね。」と田村さんは笑顔で話す。
一人で気ままに会場を歩いてみるのも良いが、日本語ガイドツアーに参加することで、彼女達との有意義な時間が知的好奇心を満たし、意外な発見をもたらしてくれるだろう。
| 開催日 | 2008年9月11日〜11月16日 |
|---|---|
| 開場時間 | 11AM〜8PM(毎日、各会場共通) |
| 会場 | シティホール(City Hall)、サウスビーチデベロップメント(South Beach Development) |
| 入場料 | $10(シティホールとサウスビーチデベロップメント共通/学生及び60才以上は50%割引あり ) |
| URL | http://www.singaporebiennale.org |
[日本語ガイドツアーのあるメイン会場]
■シティホール
日本語ガイドツアー 火&土曜日 11:30AM〜(所要時間1時間半程度)
■サウスビーチデベロップメント
日本語ガイドツアー 火&土曜日 1:30PM〜(所要時間1時間半程度)
![]() |
特集トップページ |
![]() |