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社説「島伝い」

2017年3月28日

ターニングポイント

満開の桜の花の下を真新しいランドセルを背負って歩いていく小学一年生、新品のスーツに身を包み、緊張した面持ちでオフィスへ向かう新社会人――日本では多くの企業や学校で4月から新年度が始まります。春という季節の持つ明るさや華やかさのせいか、この月には何か良いことがありそうな、心を浮き立たせるものがあります。

 

ここシンガポールでも、これから着任する人々との新たな出会いがこの時期の恒例となっています。ただし、今年は例年と少し様子が違っているようです。離任のあいさつに来る方が、いつもであれば一緒に連れているはずの後任者の姿が、今年はないことがある、という話を幾度か耳にしました。各社で現在の体制やビジネスを取り巻く状況などから後任者は置かないと判断されたのでしょう。また、今年1月から就労ビザ発給基準が厳格化されたことも要因の一つとしてやはりあるようです。

 

2017年が始まって3ヵ月が過ぎましたが、法律の改正など大きなことから身の回りの小さなことまで、この3ヵ月間の変化を見てみると、今年の初めの見通しとは違う部分がさまざまなレベルであるのではないでしょうか。その違いに今後どう対応していくのか、当初の予定からどう変えていくのか、見直すべき時期なのかもしれません。

 

何かを変えることは、時に痛みを伴うこともあります。そのため、現実を把握し、新しいチャレンジの必要性を認識しながらも、実際には変わるためのアクションを取らないままというケースも少なくありません。しかし、シンガポールの日本人コミュニティを取り巻く環境にも、今までとは明らかに違う流れが生じています。好むと好まざるとに関わらず、変化に対応するための転換点、ターニングポイントに差し掛かっているようです。

 

変えることが必要なのは、弊誌も例外ではありません。これまでも時代の移り変わりや読者のニーズの変化を捉えるよう心掛け、紙面を作り続けてきましたが、今回変わることの必要性を皆様に問いかけるだけでなく、我々自身が変わることに致しました。この4月からアジアエックスを一新し、月刊情報誌として新たなスタートを切ります。ビジネス分野により一層力を入れ、良質なコンテンツをお届けすることで、シンガポールで活躍するビジネスパーソンのお役に立てる媒体を目指してまいります。また、変化を恐れることなく挑戦し続け、これからも皆様と共に前へ進んでいけることを願っております。引き続きご愛読のほどよろしくお願い申し上げます。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.320(2017年4月1日発行)」に掲載されたものです。

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