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社説「島伝い」

2017年1月1日

根底にあるものは何か

新年あけましておめでとうございます。皆さんの2017年の元旦の計はどのようなものでしょうか。その前に、2016年の元旦の計は達成されたでしょうか。

 

昨年本欄で提案したのは、元旦の計を1つか、せいぜい2つに絞り込み、シンプルにすることでした。実際に試して、達成できた方もいらっしゃるでしょうが、昨年もまたダメだった、という方も少なくないのでは。そこで今年は、元旦の計を実現するための、もう一つの提案をしてみたいと思います。

 

例えば、「毎日早起きして本を読む」という元旦の計が、ここ数年続いているとします。何年かかっても達成できていないとなると、まず追及したくなるのは、なぜ早起きできないのか、あるいはなぜ本を読む時間が取れないのか、といった点。仕事が忙しくて毎晩帰りが遅かった、出張が多かった、疲労から睡眠を優先する必要があった、などできなかった理由がいろいろと出てくるでしょう。

 

しかし、理由探しや言い訳ばかりしていても、おそらくまた同じことの繰り返し。そこで、繰り返しから脱するためにとにかくまず早起きをしようと大音量の目覚まし時計を購入したり、評判の良いシステム手帳を使って時間管理の効率化を図る、といった対策を取ることが考えられます。もちろん、それで目標達成につながることもあるでしょうが、年末になって振り返ってみると、結局目標達成には程遠かった、という場合がまだありそうです。そもそも「毎日早起きをして本を読む」ことを目標にした根底にあるものは何でしょうか。

 

本を読むことで何を実現したかったのか、根底にあるものを改めて見直すと、実は「朝食や夕食の後にお茶を飲みながら1~2ページ読む」ことから始めても構わないのかもしれません。あるいは、通勤中にオーディオブックを聴く、定期的に勉強会に参加するなど、別の方法でも良いと気付くこともあるでしょう。

 

毎年同じような目標設定を繰り返している方は、その目標の根底に何があるのか、一度じっくり考えて、捉え直してみてください。今年こそは元旦の計が達成され、素晴らしい一年になりますように。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.316(2017年1月1日発行)」に掲載されたものです。

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