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社説「島伝い」

2007年3月5日

東南アジアのビジネスハブ

2月15日、シンガポール政府は2007年度の政府予算案を発表しました。あわせて発表された税制改革には、法人税引き下げやGST税率引き上げなど大きな改正が盛り込まれています。今年1月1日から実施された「パーソナライズド・エンプロイメントパス(PEP、注記参照)」などの取り組みからも、シンガポールが自国の発展に向けて全力投球している前向きな姿勢が伺えます。

 
政策的背景には、シンガポールとライバル関係にあるとされる香港との競争があると考えられます。法人税は香港(17%)とほぼ同水準の18%に引き下げられる予定です。PEPの導入には、既に類似のシステムを導入している香港等へ人材が流出しないように、才能のある外国人にとってシンガポールでの就労をより魅力的なものにし、シンガポールの発展に必要な人材を留まらせる契機になることが期待されています。

 
グローバルシティとしてのシンガポールが最近達成した事の一つに、外国人労働者の22%が大卒であることが挙げられていました。シンガポールでは学歴に対する評価が高く、高学歴者にとって活躍の場を得やすい環境といえるでしょう。今後学歴もさることながら、高度なスキルを持つ外国人労働者がますます魅力を感じる環境になれば、更なる発展を続けるシンガポールからますます目が離せなくなることは間違いないでしょう。

 

 

パーソナライズド・エンプロイメントパス(PEP):今までのエンプロイメントパス(EP)は、会社に所属していないと発行されず、会社を辞めた時点で失効する仕組みとなっていましたが、パーソナライズド・エンプロイメントパス(PEP)は、退職後6ヶ月間、次の職探しの為にシンガポールに滞在することができるというものです。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.093(2007年03月05日発行)」に掲載されたものです。

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