シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX社説「島伝い」TOP『何か違う』をキャッチする

社説「島伝い」

2008年7月7日

『何か違う』をキャッチする

先日、日本人会運動部主催のバレーボール大会が開催されました。小学生から一般の部まで多数の方々が参加され、一日中みな夢中でボールを追いかけ、楽しんでいました。

 
スポーツを通じて交流・親睦を深めることを目的としている大会なので、競技経験の浅い方、運動そのものが久しぶり、という方々も多数参加されます。ここで一番怖いのが、ケガ。一般の部の参加者の多くは30代~40代、仕事や社会で中心的な役割を担い、普段からハードスケジュールをこなしている分お疲れ気味、という方も多いものです。睡眠不足や疲労の蓄積で体力が落ちている時に激しい運動をすれば、体が悲鳴を上げるのは無理もないこと。それが筋肉痛程度であれば笑って済ませられますが、大ケガにつながってしまうこともあります。

 
ただし、他のプレイヤーとの接触によるケガなどではなく、自分自身の動きが元での負傷の場合、その前に体から何らかの危険信号が出ていることも多いものです。いつもと何か違う、という違和感、つまり危険信号を無視して動いていたら激痛が・・・・・・それが取り返しのつかない故障につながってしまったら、悔やんでも悔やみきれません。

 
「前は大丈夫だった」ほど当てにならない情報はありません。以前とは周囲の状況も自分自身の体力・筋力も異なるからです。状況や自分自身の変化を把握し、危険信号を敏感にキャッチした上で、本当に大丈夫かどうか判断すべきでしょう。

 
これはスポーツ以外の場面でも同じことが言えます。ここ数年頻繁に見聞きするようになった「異常気象」も、地球環境が今までとは違う方向へ向かっているという危険信号でしょう。ビジネスでも、何も考えず、周りをろくに見ていないと、危険信号をキャッチできません。リスクの芽を摘むチャンスを失ったばかりに大きな痛手を被る可能性があります。逆に言えば、常に問題意識を持ち、いつもと違う何かを察知するアンテナを張っていれば、潜在リスクにも早めに対処でき、目指す方向、望む方向へと進んでいけるよう自分でコントロールすることができます。皆さんのアンテナの感度はいかがですか?

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.125(2008年07月07日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX社説「島伝い」TOP『何か違う』をキャッチする