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社説「島伝い」

2011年8月1日

国民であることの誇り

8月9日はシンガポールの建国記念日。1965年8月9日に当時のマレーシア連邦から追い出されるように独立した国が、この46年で目覚しい発展を遂げたことは周知のとおり。この国を多くのシンガポール国民が誇りに思っています。その表れのひとつが、7月に入った頃からシンガポール国内のあらゆるところで見かける国旗。HDBの窓やビルのエントランス、道路沿い、タクシーの屋根などに赤と白の旗が掲げられています。

 
シンガポール国旗は、上半分が赤、下半分が白の二色に分かれ、上半分には三日月と五つ星が白抜きで描かれています。赤は「国民すべての友愛と平等」、白は「普遍的かつ永久に続く清廉さと美徳」、三日月は「地平線を昇る新生国家」、そして五つ星はそれぞれ「民主主義・平和・進歩・正義・平等」を表しています。

 
国民に愛国心やシンガポール人としてのアイデンティティを植えつけるのに一役買っているのが8月9日のナショナル・デー・パレード(NDP)。国を挙げての一大イベントで、1ヵ月ほど前からリハーサルが毎週末行われます。夕方になると巨大な国旗を運ぶヘリコプターが現れ、日が暮れた後には花火が打ち上げられるので、直接参加していなくてもNDPが近いことを誰もが知らされます。NDP当日に会場に入れるのは、抽選でチケットが当たった国民とPR保持者のみ。多くの人は自宅で家族や友人と一緒にテレビでNDPの中継を観て楽しみます。

 
日本では、2月11日は多くの人にとっては祝日のひとつに過ぎないでしょう。建国記念の日の関連行事なども一部で行われていますが、紀元節が何の日かを知らない人も多いようです。昔は祝日に玄関前に国旗を掲げる家も多くありましたが最近ではずいぶん減っていますし、卒業式や入学式で国旗を掲げなかったり、国歌斉唱を行わないケースも増えているようです。

 
NDPが近づいてくると、日本人ももう少し日本の国旗である日の丸を掲げる機会があっても良いのではないか、日本人であることにもっと誇りを持つべきなのではないか、なぜそれができないのだろうか、と考えさせられます。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.194(2011年08月01日発行)」に掲載されたものです。

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