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社説「島伝い」

2012年12月3日

外国で働くということ

11月26日に発生した中国人のバス運転手達によるストライキは大きなニュースになりました(11ページ参照)。というのも、シンガポールでストライキが発生したのは1986年以来。違法なストライキとなると1980年以来のことだそうです。

 
シンガポールでは、ストライキ自体は違法ではありませんが、今回は公共サービスに関わる業界でのストライキであり、14日前までに実施の旨を通知する必要がありました。この手続きがないままにストライキが実施され、公共交通機関であるバスの運行に支障をきたしたことから、今回のストライキは違法という判断が下されました。

 
シンガポール国内での反応を見ていると、「ストライキをするなど愚かな行動。不満を訴える行動として正しいものではない」、「中国人運転手の多くは英語を解さず、乗客への態度も良くない。給与格差は当然」といったものから「シンガポールの労働者もストライキという手段で雇用主と闘うことが必要であることを示してくれた」という意見までさまざま。全体的にはやはり批判的な意見の方が多いようです。「労働者がすぐにストライキを起こせる国もあるが、社会的混乱を招く事態を起こすことを簡単に許すのはおかしい」という意見もありました。

 
ストライキ権は労働者の権利として国際的にも認められているものです。しかし中国人運転手達が、自国にいる時と同じような要領でシンガポールでもストライキを起こせると考えていたのであれば、それは誤りと言わざるを得ません。自分達の認識では問題ない行動でも、その国で禁止されていることを行えば違法行為になります。我々を含め外国人は、他人の土地で勝負していることをやはり忘れてはなりません。法律は言うまでもなく、慣例も含めてその土地のルールに則って行動することが求められます。「知らなかった」では済まされません。

 
ビジネスにおいても、「これは日本やほかの国でも大丈夫だから」と安易に判断し、気付かないうちに法律や慣例に反しているケースがあります。今回のストライキ騒動を機に、我々自身も見直すべき点がないか考えた方が良さそうです。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.225(2012年12月03日発行)」に掲載されたものです。

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