シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX社説「島伝い」TOP自分自身がヒーローになる年

社説「島伝い」

2013年1月1日

自分自身がヒーローになる年

新しい年を迎えるにあたって2012年を振り返ってみると、公私ともにいろいろなことがあった1年でした。多くの方にとってもそうではないかと思います。

 
世界的に見ても、3月にロシア大統領選挙、4月にフランス大統領選挙、10月に中国党総書記選挙、11月に米国大統領選挙、12月に韓国大統領選挙と、国のリーダーを決める選挙が多く実施されました。日本で12月に行われた衆議院議員総選挙も、事実上日本の次のリーダーを決める選挙でした。2013年は多くの国で新しい流れが出てくることが予想されます。

 
今号の特集記事でもご登場いただいている手塚祐基さんは、自身が研究されている「感性トレンド」による分析を基に「2013年はヒーローの時代になる」という話を以前からされていました。では、皆さんにとってのヒーローとは誰でしょうか?女性の場合は本来ヒロインですが、あえて「ヒーロー」と呼ぶことにします。その答えは、テレビの世界で子供の頃に憧れたキャラクター、あるいは歴史上の人物、現在活躍している有名人、自分の両親、祖父母など、実は人によってかなり異なるものです。自分にとってのヒーローとは、結局自分が尊敬する人や、自分がなりたい人、と言えるでしょう。

 
景気が停滞して社会全体が暗い雰囲気に包まれると、しばしば「ヒーロー待望論」が登場します。しかし、「2013年はヒーローの時代」と聞いて「どんなヒーローが出てくるのだろう?」と考えるのではなく、自分の中のヒーロー像に自分自身がなるチャンス、と捉えるべきではないでしょうか。

 
今年は、2012年までに見られた変化への兆しが本格化し、これまでに経験したことのない情勢になると考えられます。そんな中で自分自身のヒーロー像に近づくためには、過去を振り返って反省しつつも、後悔はしないで、厳しい状況でも日々一歩一歩前に進んでいくことが必要になります。これまでにやってきたことの延長線上に見える自分の未来に自分の中のヒーロー像があるか、と考えてみることは、新年を機に自分の進むべき方向を見定める目安になりそうです。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.226(2013年01月01日発行)」に掲載されたものです。

おすすめ・関連記事

シンガポールのビジネス情報サイト AsiaX社説「島伝い」TOP自分自身がヒーローになる年