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社説「島伝い」

2013年9月2日

人気を増やし続けるには

本誌21ページにもあるように、8月に開催された旅行博「NATAS Holidays 2013」では、人気の高い渡航先として1位のヨーロッパに次いで日本が2位にランクされました。昨今の円安で、旅行代金が割安になったことも一因のようです。 日本行きの旅行商品で相変わらず人気なのが北海道へのツアー。紅葉や雪などシンガポールでは経験できない四季折々の変化が楽しめる雄大な自然、温泉、美味しい食べ物などがやはり魅力のようです。

 
シンガポールでは日本の食料品などが個人でも入手しやすい環境にありますが、ここ数年、人々の日常生活の中に日本のものが一層浸透しているのを感じます。最近セブンイレブンの店頭には、日本でおなじみのピンク色の伝票が置かれています。ヤマト運輸の「宅急便」の伝票です。物を運ぶサービス自体は従来からシンガポールにもありましたが、よりきめ細かい、利用する側にとっても利便性の高い日本のサービスが受け入れられ、人々の生活に変化を与えている例のひとつでしょう。日常生活の中で日本のものに接する機会が増えることは、旅行先として日本を選ぶ人々の増加にもつながっていると考えられます。

 
一方シンガポールにも世界中の国々から毎年多くの観光客が訪れ、その数は増え続けています。観光客を引きつけている施設やイベントの多くは、シンガポール独立後に整備されたもの。シンガポール政府が国内外で進めてきた観光政策による部分が大きく、シンガポールを訪れる人々が「また来たい」と思うようなさまざまな工夫がされ続けています。

 
日本には四季や豊かな自然といった観光資源があり、日本食やアニメなどの文化が海外でも人気がある点でかなり恵まれています。しかし、外国人観光客の受け入れ体制などまだ取り組むべき部分もあります。日本ブランドを高めるためにも、日本全国の様々な町を訪れてみたいと外国人が思ったり、各地での滞在を十分楽しめるような仕掛けが必要。シンガポールの観光政策から学べる点もありそうです。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.241(2013年09月02日発行)」に掲載されたものです。

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