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社説「島伝い」

2016年1月18日

「今年2回目の正月」

日本では140年以上前の明治6年(1873年)にグレゴリオ暦が採用され、この暦法での1月1日に新年を祝う習慣がすっかり定着していますが、中華文化圏の国々では、同じく100年以上前からグレゴリオ暦を公的に採用しながら、現在も旧暦1月1日を新年として盛大に祝うのが一般的です。国民・永住者の7割以上が中華系であるここシンガポールでも、1月1日に日付が変わるのに合わせて花火が打ち上げられたりもしますが、その数週間後、旧正月が近くなると街中が赤や金、黄色などの鮮やかな飾りに彩られ、賑やかさを増します。

 

年に2回正月があるという少々特殊なこの状況は、前回取り上げた「元旦の計を必ず実現する工夫」のひとつとしても活用できます。元旦の計を実現するために既に計画実行中の場合は、2016年が始まってからの状況を振り返って、目標設定や計画がこのままでも良いか、確認する良いタイミングになります。特に問題なく順調に進んでいれば重畳。実際にやってみて調整が必要な点が出ている場合は、微調整をかけることで、より良い形での実現を目指せるようになります。
また、元旦の計を立てたものの、まだ何もできていない場合は、年が改まって数週間が経ってもなぜ計画が実行できていないのか、その理由を確認する必要があります。本人の単なる努力不足などではなく、計画自体に無理がないか見直し、もう少し実行しやすくなるよう工夫する必要があるかもしれません。

 

最後に、今年の元旦の計を立て損ねていた場合は、この旧正月を機に2016年の元旦の計を立ててみてはいかがでしょうか。これから約11ヵ月を使ってどのような年にするのか、意識しながら日々を過ごしていくのと、何も意識せずただ目の前のことだけに取り組むのでは、大きな違いがあります。

 

旧正月の前後は多くの企業が1週間前後休業し、周りの動きも止まることがほとんど。元旦の計について見直しを行うには最適の時期です。シンガポールの旧正月の盛り上がりを楽しみつつ、2016年を有意義な1年にするための期間としてもうまく活用してみてください。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.295(2016年1月18日発行)」に掲載されたものです。

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