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社説「島伝い」

2015年5月4日

外国人旅行者数の増減

外国人旅行者の訪日を促進するための取り組み「ビジット・ジャパン・キャンペーン」が始まった2003年の訪日者数は520万人程度。その後、2008年のリーマン・ショックや、2011年の東日本大震災などの影響で一時的な落ち込みはありましたが、2013年には1,000万人を突破。2012年末から続く円安も追い風となって、2014年には1,340万人余りと一気に3割以上増えました。シンガポールからの訪日者数も、2003年が約7万7,000人であったのに対して、10年後の2013年は約18万9,000人。昨年は約22万8,000人に達しました。

 

一方で、シンガポールへの入国者数を見てみると、2014年は1,510万人で、前年比約3%減。今年1~2月の入国者数も前年同期比約5%減となっています。数パーセント台の減少ではありますが、観光が主要産業の一つであるシンガポールにとってはやはり看過できないことから、シンガポール政府観光局(STB)は4月に次々と新たな施策を打ち出しました。チャンギ空港運営会社との共同マーケティングには2年間で3,500万Sドル、民間と連携して外国人旅行者を呼び込むために5月から年末まで実施するキャンペーンには2,000万Sドルと、いずれも数十億円規模の予算が取られています。

 

外国人旅行者減少の理由には中国からの入国者数減や、中国元を除いたアジア各国の通貨に対して続くシンガポール(S)ドル高が挙がっています。これだけを見れば、Sドル高緩和策を取ることも考えられますが、シンガポール金融管理庁(MAS)は4月14日、国内外の経済情勢を勘案した結果として為替政策の維持を発表しました。STBが4月初めに打ち出した施策もこの方向性に基づいているようで、外国人旅行者のコストの一部を軽減するようなものになっています。

 

ただし、Sドル高は外国人旅行者数減少の一因ではあるものの、もちろんすべてではありません。他の要因があるとしたら何か、それに対して対策は取られるのか、取られるとしたらどのようなものか、シンガポール在住者の視点から考えてみるのも面白いでしょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.279(2015年05月04日発行)」に掲載されたものです。

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