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Vol.330

2018年1月26日

黒田 望美さん

Advanced Inner Care Solutions Pte. Ltd. 代表取締役社長

Vol330_Cover「私は消極的な性格でした。アルバイト募集に履歴書を届けるのを母に頼んだほど(笑)」。インディバサロン「RES MODE」をオープンした黒田さんは、そう切り出した。「ですが、過去を振り返ってみて感じるのは、人は本気になれば何でもできるし、人生は自分で作るものだということです」。事業経営者になるに至った背景には、そんな彼女の自分改革ストーリーがある。

 

最初の転機となったのは、大学進学。自分を変えたい、好きなことを表現して自分にしかできないものを極めたいと、女子美術大学を目指す。しかしデッサンすら未経験。毎日、美術室にこもって絵を描き続けた。その結果、入試デッサンで高得点をマークし、入学を果たす。が、消極的な性格は進学後も変わらず、それは作品にも表れてきてしまう。よって最優秀賞を受賞した卒業作品にさえ自分では満足できず、視野をもっと広げたいと、米国留学を決意した。

 

「第二の転機を迎えたのは、米国滞在中。自分はいつか何かをするだろうと、根拠もないのに確信めいた気持ちが芽生えました」。こうして、MBAで起業家学を専攻することに。が、経営の基礎知識はおろか、英語も話せない。「教授から諦めろと言われ……あまりの悔しさに、泣きながら勉強に明け暮れました。海外は個性の発揮が推奨されます。ダイナミックに生きる外国人に刺激を受けたことで、人には人それぞれの能力が備わっており、自己の能力を見極め、発揮することが重要だと気付きました」。こうして海外の変化の激しい環境に順応していくうちに、自然と積極的な思考力が身についていった。

 

2013年に拠点を当地へ移し、会社員となったが、2016年に当地で起業。時を同じくして高周波機器・インディバに出会い、これを使って人びとの健康に貢献しようと決心し、2017年、RES MODEを開店した。それにしても、海外での起業に不安はないのだろうか。「不安も怖さもありますが、何事もやってみないとわかりません。死に至るまでは全てが途中経過。失敗も1つの経験と捉えています。ですから何事も思い切り楽しみたいです」。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.330(2018年2月1日発行)」に掲載されたものです。

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