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Vol.328

2017年11月24日

ジューン・ンさん

KOSÉ SINGAPORE PTE LTD SALES MANAGER

web328_Coverマレーシア出身、名門マラヤ大卒、大手美容メーカーで、マーケットシェア、ブランド認知の拡大、売上げ数値管理の責任者として、セールスとマーケティングの2つのチームをけん引している、と聞けば、着々とエリートコースを歩んできたかのようだが、ン氏の経歴は異色だ。大学卒業後、社会人になる前にさまざまな経験がしたいと、日本や欧州諸国を放浪。その後、シンガポールで友人のスパを手伝い、店舗の清掃から、人材マネジメント、商品の販売、顧客へのマッサージまでこなした。

 

メーカーへの就職を経て、大手リテール会社のセールス職に。業界経験が皆無だったため、自ら願い出て、1年間、同社が出店する複数の百貨店の売り場に立ち、顧客の動向、需要、百貨店の経営方針などの理解に努めた。

 

そして、カシオへ転職するも、初めて働く日系企業で、企業風土の違いにとまどい、わずか3ヵ月で退職を願い出る。が、上司から「何事にも近道はない、一歩一歩前進しないといけない」と説得され、働き続ける中で、日系ならではの、他者との連携・協力や長期展望を持つことなどの長所を身に付け、結果、7年勤めあげた。

 

その後さらなる飛躍を求め、コーセーへ。従来の店舗での対面販売だけに頼らず、雑誌の読者を集めたパーティー、ポリテクニックや大学等でワークショップを開催するなど、時流に乗ったマーケティングを展開している。

 

友達や家族と過ごす時間を大切にするン氏は、オフの時間を確保するため、寝る前に翌日の段取りを考え、朝は8時に出勤、午前は1日100通にものぼるメールを集中的に処理し、午後はミーティングにあてる。異なるバックグラウンドを持つ人が集まるシンガポールでは、メールだけのやり取りでは誤解が生じやすいと実感するため、相手と会って話すことを心がけているのだとか。顔を合わせることで話も広がり、コミュニケーションが円滑になると言う。

 

若い人たちへのメッセージとして「若い時は、今のハードワークが将来に役に立つと考えない人が多いけれど、地道な労働こそ大事と伝えたい」と語る。

 

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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.328(2017年12月1日発行)」に掲載されたものです。

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