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表紙の人

Vol.321

2017年4月25日

福井 裕美子さん

Musashi Paint Pte. Ltd. President-CEO

web321_Cover1東京都出身。共立女子大学を卒業後、商社やIT企業などに勤務し、2006年に祖父が創業した武蔵塗料に入社。2014年に同社グループの代表取締役に就任した。家業を継ぐ前は、結婚して専業主婦になるつもりだったという福井さん。武蔵塗料に入社したきっかけは、先代の社長だった父の病気だった。妹と二人で家業のために何ができるか相談した結果、入社を決意。当初は中国の広東省にある工場に2年間勤務、そこでスタッフの作業の丁寧さや製品のクオリティの高さを目の当たりにし、ものづくりの素晴らしさに感動したという。

 

引火の恐れのある塗料は運送コストが高く、基本的に地産地消。世界9ヵ国に拠点を置く同社グループは、中国やアセアン各国への展開を強化しており、福井さんもアジアの国々からのアクセスが良好なシンガポールに2015年に移住した。ウェブ会議で、日本を含む各国の拠点と毎日コミュニケーションを取りながら、各国を飛び回る日々を送る。

 

「色は人の心に強い影響を与える」と福井さんは話す。繁栄している街は建物の彩りも豊かで、そうした環境は人の心も華やかにするという。何かに色をつける塗料を扱うことのやりがいにつながっている。

 

またビジョンとして、事業を通じて「世界を変えること」を掲げる。進出先の国で雇用を創出し、その国への納税によって経済発展に貢献したいと語る。そう考えるようになったきっかけは、中国での勤務経験だ。あるとき現地の社員から自宅に招かれたが、その家には電気や水道、ガスが通っておらず、その生活水準を高めたいと強く感じたという。このほかフィリピンの孤児院へ寄付を行ったり、アジアの児童買春問題に取り組むNPOに参加したりと、社会貢献活動にも積極的だ。

 

5歳になる娘の母でもあり、格闘技も嗜む。「いつでも自分と娘を守れるよう、ムエタイを習い始めました」子育てと仕事で多忙な中、事業の成長だけでなく、世の中をより良くするために何ができるのか常に思いを巡らせている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.321(2017年5月1日発行)」に掲載されたものです。

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