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Vol.313

2016年11月7日

前田 政文さん

SETA TECHNOLOGIES PTE. LTD. Vice President

vol313_cover鹿児島県鹿児島市出身。福岡市立博多工業高等学校を卒業後、セイコーエプソンの子会社であるエプソンサービスでITシステムの構築・保守におよそ15年携わった。その後、弟の起業を手伝うため、南アフリカで約1年働いたのち、福岡県にあるIT企業に転職、2011年に駐在員として渡星し、2012年にITサービスの構築・保守を手がける会社を立ち上げた。

 

もともと海外で働くことに興味があったという前田さん。福岡のIT企業に転職したのも、シンガポールに拠点があったからだという。自身の希望が叶い、入社からおよそ1ヵ月でシンガポールへの赴任が決まった。しかし来星から約1年半後に転機が訪れる。その企業がシンガポールから撤退することになったのだ。日本に帰るか、シンガポールに留まるか悩んでいたとき、起業のきっかけになったのが、あるクライアントからの「あなたがシンガポールで起業するなら、ぜひ仕事をお願いしたい」という言葉だった。

 

最初は一人でスタートした会社も、1年目から売り上げが立ち、現在の社員数は8人と人員も拡大。今年に入りマレーシアにも現地法人を設立し、他の東南アジアの国への進出も検討しているという。前田さんのモットーは「顧客第一」。1件1件クライアントの要望に真摯に対応することで、口コミで仕事が増えていったと語る。

 

技術の道を極めたいという思いから、高校卒業後はすぐに働き始めたという前田さん。中学校の恩師からの「何かひとつの分野で、誰にも負けないようになりなさい」という言葉を今でも大切にしている。またエプソンサービス在籍時、日本全国をエンジニアとして飛び回った経験は、現在の仕事のベースになっていると話す。

 

趣味はドライブとスキューバダイビングで、バリ島にはよく潜りに行くという。またシンガポールの鹿児島県人会では幹事も務め、幅広い世代のメンバーたちと、お酒を交えて和気あいあいと語り合うのも楽しみのひとつだ。
大企業での安定した待遇を捨ててまで、海外でのビジネスにチャレンジしてきた前田さんは、自らの選択について「一度も後悔していない」と話す。「今後もできる限り、いろいろなことに取り組んでみたい」と、飽くなき向上心を覗かせる。

 

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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.313(2016年11月7日発行)」に掲載されたものです。

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