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Vol.310

2016年9月19日

宇野 まさみさん

KOMARS ENTERPRISE PTE LTD/ YOSAKOIソーラン教室星蘭校 プロジェクト・マネージャー

vol310_cover高知県のよさこい祭りと北海道のソーラン節を合わせたYOSAKOIソーランをシンガポールでも踊り続けている宇野さん。今でこそ踊り子兼指導者として活動しているが、以前は踊りとは特に縁のない生活を送っていた。

 

大阪府岸和田市出身。夫の転勤に伴い、1997年に初来星。娘が通う日本人学校に勤めていたYOSAKOIソーランの先生との出会いが、その後の人生を動かした。「もともとダンスは好きで、ドラマ『3年B組金八先生』で披露された南中ソーランにも憧れていました。親子そろって同好会に参加すると、その楽しさに夢中になってしまいました」。しかし2年後には先生が帰任となり、その際、代表を引き継いだのが宇野さんだった。それからは積極的に各地で行われるイベントなどに参加して活動を広げたほか、2002年には本場北海道のYOSAKOIソーラン祭りにシンガポール代表「星蘭サザンクロスシンガポール」名義での出場も果たした。「そこで恩師とも再会を果たし、同好会が祭りに参加できるほど大きく成長したという報告ができたことで一つの区切りを迎えることができました」。

 

本帰国後も岸和田市でチーム「岸和田星蘭」を立ち上げ、数々の大会に出場しては複数の賞を受賞するなど精力的に活動を続けた。2011年には夫の転職に伴いマレーシアへと渡り、クアラルンプールでもチーム「纏(まとい)」をつくって踊りに没頭した。しかし、2014年に夫と死別。「これまで踊りを続けられたのも夫の応援があったからこそ。悲しみに暮れて、踊る気力をなくしてしまったんです」。そんな宇野さんを支えたのは、踊りの教え子や在星時代の友人だったという。

 

シンガポールでもう一度踊りを始めてみては、という声に押され、2016年4月に再び来星。KOMARSグループの代表・松田幸樹氏の協力を得て、7月にYOSAKOIソーラン教室星蘭校およびシンガポールチーム「纏」を創設。10月末に開催されるSJ50祭りへの出場も決まった。「YOSAKOIソーランを通して世界の人々の心が一つに繋がってほしいと願いつつ、いつかはシンガポールで祭りを開催できるくらい、大きなものにしていきたいですね」。これまでの出会いに感謝し、たくさんの人に支えられたからこそ今の自分があると語った宇野さん。今日もシンガポールで、鳴子の音を響かせている。

 

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この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.310(2016年9月19日発行)」に掲載されたものです。

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