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表紙の人

Vol.304

2016年6月20日

松本 彩さん

TrendMicro Singapore Pte Ltd Director, Global Business Division

Vol304_cover長崎県長崎市出身。大学ではまず幅広い分野を勉強したいと考え、国際基督教大学の教養学部に入学した。周囲に海外志向の人が多かったことが影響し、長期休みを利用してバックパッカーの1人旅にも挑戦した。「大学生でお金がなく、安く行ける珍しい場所を探したら東ヨーロッパ縦断になりました。途中、命の危険を感じることもありましたが、いろいろな国の人に出会って文化の違いにも触れられたのは貴重な経験となりました」。

 

ルーマニアからギリシャへ向かう途中、誘拐されて現金を奪われてしまった松本さん。後に南米大陸の横断にも挑戦するが、ブラジルでは路上で荷物を強奪された経験も。しかし、各地で自然を満喫し、人との交流で視点の違いに触れたりと楽しめたことの方が多かったという。「最終的には無事帰国、その出来事があって出会えた人もいました。全体で考えると楽しいことが多いので、再び旅に出てしまうんですよね(笑)」と、持ち前のポジティブな考え方で気持ちを新たにし、今でも時間があれば積極的に旅行している。

 

大学卒業後は、日本のモノを海外にアピールしたい、社会に役立つ仕事をしたいとの思いが募り、日系ITセキュリティ企業のトレンドマイクロ株式会社に入社。当初から海外支社勤務を希望しており、2012年に来星が決定した。意外にもシンガポールは初めてだった松本さんは、これまで訪れた国と比べてあまりの綺麗さに衝撃を受けたという。「最初はボディコンやクルーズパーティなど、日本のバブル時代を連想させる光景にも驚きましたが、住んでみるとビジネスで女性が大きく活躍できる環境だと感じ、自分らしくいられるところが好きになりました」。現在、シンガポール政府はサイバー攻撃対策に注力しており、政府関連、また国際警察機構との協業プロジェクトにも携わることが多くやりがいを感じているほか、今年は世界全社員の中から5人だけが選ばれるMVPも受賞し、大きな自信に繋がったという。

 

人生のテーマはLive for the Moment(今を生きる)。常にその時にしかできないことを楽しみ、後悔のないよう仕事も遊びも全力で取り組むのが松本さんのモットーだ。「今年のやりたいことリストに含まれていたスカイダイビングはハワイで達成しました。次はコタキナバル登山に挑戦します!」。これからも松本さんの旅は続いていく。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.304(2016年6月20日発行)」に掲載されたものです。

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