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Vol.302

2016年5月16日

レイチェル・クワックさん

Angliss Singapore Pte Ltd  Sales Administrator

韓国、京畿道富川市出身。大学では日本での就職を希望し日本語を専攻。しかし就職活動では日本企業と縁がなく、親戚のビジネスを手伝うため来星を決めた。2年あまりを当地で過ごし、社会人としての経験はもちろん、多くの友人に恵まれるなど充実した日々を送ったという。その後、韓国に戻って日本企業の「めのやグループ」に就職し数年を経たが、シンガポールでもう一度チャレンジしたいという思いが募り、2014年に再来星した。

 

現在は、食品の総合商社であるAngliss Singapore Pte Ltdにて、和牛や黒豚など、日本の食材を当地のレストランに卸す業務に従事。日本の生産者と当地のレストランとの調整が主な役割だが、食品業界が初めてのレイチェルさんにとっては毎日が勉強。「お客さんとのやりとりで分からない言葉があるなど、日本語の向上を含めた業界の勉強が必要だと思っています。でもやればできるんだから、とにかく何でもやってみようという気持ちでいます」。元々は営業をサポートするバックオフィス担当として入社したが、その向上心が評価され、現在では営業も一部任されるようになっている。

 

そんなレイチェルさんの前向きさには、自身のある体験が大きく影響している。韓国で前職を離れた後、知人に誘われ3ヵ月間のヨーロッパ旅行に参加。フランスからピレネー山脈を経由しスペイン北部に至る「サンティアゴ・デ・コンポステーラの巡礼路」を1ヵ月かけて踏破した。最初は無理だと思っていた踏破を成し遂げたことで、大きな自信になったという。「最初は躊躇いもありましたが、歩き始めてしまった以上、後戻りはできない。バスもタクシーもない山道ですから、自力でゴールまで進むしかないんです。毎日自分のペースで歩ける分だけ進み、そうやってゴールできた時には『何事も一生懸命やり続ければ、必ずできるようになるんだ』と、考え方そのものが変化したんです」。

 

それゆえ、将来のことはあまり考えすぎないようにしているというレイチェルさん。まずは今できることに集中したいという。「楽しみながら、今この瞬間を充実させたい。その『今』が積み重なって、次のチャンスにつながると思うんです」。自ら手に入れた前向きさを武器に、着々と当地で成長し続けている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.302(2016年5月16日発行)」に掲載されたものです。

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