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Vol.294

2016年1月1日

「2016年 新年のご挨拶」

Amb-Takeuchi-Haruhisa-web駐シンガポール共和国
日本国特命全権大使
竹内 春久

新年あけましておめでとうございます。本年もなにとぞよろしくお願い申し上げます。 本年は、日本とシンガポールの外交関係樹立50周年を迎える記念すべき年です。昨年9月に、日本に在住するシンガポール人のケニー・クー氏によるデザインが両国政府によって記念ロゴマークとして決定されました。両国における外交関係の更なる進添付ロゴ縁ありweb展と交流促進の願いが込められている素晴らしいデザインです。このロゴに込められた願いを実現出来るよう、今年も両国間の交流を一層促進して参りたいと思います。

 

外交関係について両国間の要人往来を振り返ると、安倍総理が一昨年5月の第13回アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)への出席に続き、昨年3月にもリー・クアンユー元首相国葬に参列し、3年連続で当地を訪問しています。また、昨年は、シンガポール建国50周年記念行事出席のため、麻生副総理兼財務大臣も8月に当地を訪問しました。シンガポールからは、3月に第3回国連防災世界会議出席のためシャンムガム外相兼法相が、5月にはゴー・チョクトン名誉上級相が日本を訪問しています。この他にも、政府閣僚等の往来は頻繁であり、両国の政府間対話は非常に活発に行われています。

 

国民レベルでの交流も一層活発になっています。一昨年のシンガポールから日本への訪日客数は、対前年比で2割以上伸び、過去最高の約23万人を記録しています。さらに、昨年は、9月末までにすでに約18万人がシンガポールから訪日しており、過去最高を記録した一昨年と比較しても、同期比で34%増という目覚ましい勢いで訪日客数が増加しています。当館の文化施設であるジャパン・クリエイティブ・センター(JCC)においても、日本の伝統文化からポップカルチャーまで幅広く日本のクリエイティブな姿を発信するとともに、特に昨年は当地の著名な陶芸家であるイスカンダル・ジャリル氏の作品展示をはじめ、当地の国際芸術祭や作家祭、映画祭等とのコラボレーションを積極的に行いました。JCCイベントへの参加者数は、昨年11月上旬時点で、すでに一昨年の年間参加者数8,000人をはるかに上回る過去最高の1万2,000人を記録しています。

 

その他にも、地方自治体による積極的な観光PR・農林水産品のセールス、企業の皆様によるシンガポール国内・国外へのビジネス展開など様々な取り組みが行われました。

 

このように、シンガポールは東南アジア地域のハブであると同時に、国際社会における日本の大切なパートナーでもあります。当館としても引き続き日本企業の支援やJCCの活動等を通じた両国の交流の促進を図ると共に、在留邦人の皆様や旅行者の皆様に対する領事業務の円滑な遂行とサービスの向上に努めて参りたいと思います。皆様のご指導をよろしくお願い致します。最後になりますが、皆様の御健康と御多祥を祈念し、新年のごあいさつとさせていただきます。

 

Mr-Takahashi's-photo2015-webシンガポール日本人会
会長 髙橋 健司

新年明けましておめでとうございます。AsiaXの読者の皆様に、シンガポール日本人会を代表して、新年のご挨拶を申し上げます。

 

昨年も日本人会に格別なご厚情を賜り誠にありがとうございました。1915年(大正4年)に、日本人墓地公園の管理や日本人学校の運営を担い、会員相互の親睦を深める為に創立された日本人会は、途中第二次世界大戦による中断期間を挟みながらも、昨年創立100周年を迎えることが出来ました。

 

創立101年目の今年も、日本人会ではチャリティやボランティア活動、日本人墓地公園慰霊祭に加え、恒例となったチンゲイパレード(2月)への参加、日本語スピーチコンテスト(7月)の実施、大運動会(7月)と夏祭り(8月)の開催、日本人会館のオープンハウス(11月)等、多彩なイベントを計画しています。いずれも大勢の関係者・ボランティアの方々に支えられ、また多数のシンガポール人の方々にも参加頂くシンガポール社会に定着したイベントとして盛大に開催されますので、読者の皆様にも是非奮ってご参加頂ければと存じます。

 

さて、昨年3月にシンガポール建国の父 リー・クアンユー元首相がご逝去されました。テレビや新聞等には、元首相が1965年にマレーシア連邦からの分離独立という苦渋の決断をシンガポール国民に告げたシーンと、その後数多の政治的・経済的苦難と社会的混乱を乗り越え、力強く国作りを進めてきたシーンが繰り返し流れ、当時を経験していない私達にも、シンガポールに住む人々がダイナミックに発展する国と共に、豊かさを求めて走り続けてきた感覚が生き生きと伝わってきました。

 

建国後50年を経て、アジアでも有数の豊かな国となったシンガポールは、未来に向けて新たな設計図を描き始めています。その一つは芸術や文化に向かい、多くの文化が交じり合いつつ調和するシンガポールならではの芸術と文化に、今大きな価値が見出されています。それとともに、シンガポールの人々の海外の芸術や文化に対する理解も拡がりを見せています。シンガポール人の日本訪問者数の伸びに現れる通り、日本もその対象国の一つで、シンガポールの人々の日本の料理や日本製品に寄せる好意や、日本各地の風景・風土の美しさや日本人の培ってきた文化・歴史に対する造詣の深さには、時折嬉しい驚きすら感じることがあります。

 

海外に暮らす私たちは、外国の人々と日々接する中で、日本人であることを意識する場面に出くわすことがあります。様々な人種、宗教、文化を持った人々が混じり合いながら調和するシンガポール社会で、私たち自身が日本と日本人の良さを認識し、それをシンガポールの人々に伝えて行くことが出来ればと思います。本年の皆様の益々のご多幸とご発展を祈念し、新年のご挨拶とさせて頂きます。

 

Kensaku-Konishi-webシンガポール日本商工会議所
会頭 小西 謙作

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 

2015年のシンガポールを振り返りますと、やはり8月にシンガポールが建国50周年を迎えたことが強く印象に残っております。また、3月に建国の父であるリー・クアンユー元首相が逝去され、国中が悲しみに包まれたことも心に残る出来事でした。資源がなく、国土も狭く、また人口も少なかったシンガポールが、現在世界有数の経済都市として繁栄しているのも、リー・クアンユー元首相の卓越した先見性、独立以来の民族調和の努力、同氏を始めとした建国世代の方々のご苦労の賜物であったのは間違いありません。現在のシンガポールは、電気・電子機器、医療・医療機器、バイオ産業、IT、化学、金融などの高付加価値産業の育成と誘致に成功し、また、アセアンを中心とした地域統括拠点が集積するなど、今も発展を続けています。

 

一方で日系企業も、建国以前からシンガポールへ進出して活動しており、長く同国の発展に貢献してきました。本年2016年は、日本とシンガポールの外交関係樹立50周年を迎える記念すべき年となり、これまでのシンガポールの皆さまのご支援とご協力、そして、同国で貢献してこられた日本人の先輩方への感謝を忘れず、来るべき次の50年に向けた更なる両国関係強化の礎となるべく、我々も努力していきたいと思います。

 

JCCIにおける日系企業の動きとしましては、会員数が850を超え、さらに増加傾向にあるなど、依然としてシンガポールへの進出の勢いは止まりません。昨年は地域統括拠点や研究開発拠点の設置に加え、日系企業向けの人事サービスやコンサルティングといった幅広いビジネスサービスの進出が見られました。また、在留邦人数が約3万6,000人に達し、さらに増加する中、飲食や美容、教育など日本人向けのサービス業もますます増加していくでしょう。

 

本年も移り変わりの激しいアジア域内で情勢に応じて常に変化し続けていくシンガポールにおいて、JCCIといたしましても、本年度も引き続き最新の情報を提供するようにつとめ、また、会員企業の多様なニーズに合わせた事業を実施するよう全力で取り組んで参ります。最後に、2016年がアジアエックス読者の皆様にとって、実り多き年となりますことを祈念致しまして、新年のご挨拶とさせていただきます。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.294(2016年1月1日発行)」に掲載されたものです。

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