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Vol.226

2013年1月1日

鈴木 庸一大使

シンガポール日本国大使館 特命全権大使

asiax (52)在シンガポール日本国大使館 特命全権大使 鈴木庸一さんより、AsiaX Vol.226(2013年新年号)にいただいた「新年の挨拶」を掲載いたします。

謹んで新年のご挨拶を申し上げます。
さて、一昨年の東日本大震災を受けて、昨年の日本は内外の様々な大きな課題に直面した1年でした。そして、年末の総選挙、新政権発足を受けて、今年はこれらの課題に対処し、同時にアジアの主要国の一つとして、自らの足場を固める上で重要な一年です。
まずは、震災復興を進め、御心配いただいているシンガポールの皆さんに、「被災地も元気です、復興しています」と力強く言えるようになればと願っております。そして、シンガポールの皆さんの心温まるご寄付で建てられた東北各地の施設が被災地とシンガポールを結ぶ心の絆となればうれしい限りです。私も宮古や陸前高田の施設へ昨年参りましたが、地元の皆さんが喜んでおられたことを目のあたりにしました。昨年3月には、シャンムガム外務大臣をはじめシンガポールや外国の皆さんのご列席の下、日本人会および日本商工会議所との共催で、震災1周年の追悼式典および復興レセプションを開催し、温かい支援に感謝するとともに、力強く復興に歩む日本の姿をお伝えしました。本年も引き続き復興支援を後押しする施策を展開して参りたいと思っております。
日本の経済を活性化することは日本国民の大きな関心です。そして、そのためには、開放された、自由で安定した国際環境が必要です。そのような観点から、日本とシンガポールが位置するアジアに目を向けますと、米国のオバマ政権二期目の動向、中国の新指導部の登場、韓国のパク・クネ新政権の成立など、大きな変化の中で新たな年を迎えることになりました。アジアでの日本の立場と利益を守りつつ、東シナ海、南シナ海をはじめ地域情勢の管理や地域連携の強化などの課題の処理は待ったなしです。経済面では米欧、さらには中国の経済の先行き不透明感が漂う中で、日本の経済の活性化のため不可欠なアジア諸国との経済連携と統合の更なる進展を図る必要があります。
このように変動する世界の中にあって、シンガポールはじめASEANは、強い友好関係で結ばれた頼れるパートナーです。今年は日本とASEANの友好関係樹立40周年にあたります。年末には今後の日本ASEAN関係を議論する首脳会議が日本で開かれます。シンガポールはじめASEANの方々の日本への友情を当然視することなく、感謝の気持ちを忘れず、更に良い関係を発展させるべく、当館として一層の努力をして参りたいと思います。
シンガポールの在留邦人の数は増加する傾向にあり、昨年10月1日時点の在留邦人数は27,525人(前年比で1,493人の増加)となっております。今年もまた皆さまのご支援ができるよう館員一同尽力する所存です。
蛇はお金を運んできてくれる動物と聞きました。本年の皆さまのご多幸とご繁栄を祈念して、御挨拶といたします。
〈お知らせ〉
今夏には参議院通常選挙が予定されています。投票のためには在外選挙人登録が必要です。まだお済みでない方は、是非とも早めに申請登録していただければ幸いです。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.226(2013年01月01日発行)」に掲載されたものです。

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