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表紙の人

Vol.240

2013年8月19日

田名網 敬一さん

アーティスト。

asiax (38)1936年東京生まれ。メディアやジャンルの境界を横断し、デザイン、アニメーション、実験映画、絵画、彫刻作品まで幅広く手掛けてきた。京都造形芸術大学教授。アート界の魔人、世界的サイケデリック・マスターとの異名をとり、世界の現代美術への影響力は大きい。

武蔵野美術大学を卒業後、60年代にはモンキーズ(The Monkees)やジェファーソン・エアプレイン(Jefferson Airplane)のアルバムジャケットを制作するなど、日本におけるポップアートの先駆けとして活躍。1975年には雑誌『月刊プレイボーイ(PLAYBOY)日本版』の初代アートディレクターに就任。1980年代に大病を患い創作の一大転機を迎え、生と死をテーマに新しいエネルギーを作品に注入しながら、2000年代以降全世界のアート・シーンを舞台に活躍を繰り広げる。近年は、イギリスの「フリーズ」、スイスの「アート・バーゼル」といったヨーロッパ最上位のアートフェアはもとより、「アート・バーゼル香港」、「アートステージ・シンガポール」などにも軒並み新作を出品。中国・深圳では大回顧展も開催された。2010年は当地にてアーティスト・デザイナー集団PHUNK(ファンク)とのコラボレーション展で田名網敬一旋風を巻き起こし、そのPHUNKとの作品は、現在シンガポール美術館に収蔵されている。今後は、ニューヨーク、ベルリンでの展覧会、年末のマイアミビーチおよび来年の香港での「アート・バーゼル」に出展を予定。
現在ギルマンバラックスのミズマ・ギャラリーで開催中の個展『Birth and Death Bridge』(9月29日まで)では、2011年〜13年に制作された新作や200cm x 300cmといった迫力ある大型作品を含む12点を展示。どの作品にも田名網氏の脳裏を駆け抜けるイメージがキャンバスに投影され、鮮やかな色彩と共にその世界観を存分に繰り広げている。
その創作意欲と活躍のためのエネルギーの源は、規則正しい生活と常にユニークな人々に囲まれていること。今回は5度目の来星となり、田名網氏を慕うシンガポールのトップクリエーターたちが多数集まった。彼らと囲む美味しいシーフード料理が来星の一番の楽しみだという。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.240(2013年08月19日発行)」に掲載されたものです。

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