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表紙の人

Vol.242

2013年9月16日

桜井 俊輔さん

KIZUKI+LIM・サロンマネージャー。

asiax (36)宮城県の港町、塩竈市出身。自動車業を営む家に生まれ、祖父、両親、親戚など好きなことを仕事にする人たちに囲まれ育つ。この環境の下、幼少のころからさまざまなことに興味を持つように。

中学生の頃すでに、手に職を付けながら、何かを創る、デザイン系の仕事に就きたいと思うようになり、高校は建築学科に進学。そこで、分業して何かを創り上げていく建築デザインよりも、一から完成まで自分の手で創りあげることができるヘアスタイリストへの興味が増す。卒業後は東京の美容専門学校へ進み、都内にある大手の有名ヘアサロンに就職。そこで出会う友人や知人、顧客から影響を受け、やりたいことをとことんやってみようと、1年間、美容業界を離れた。
富士山登頂やヨーロッパへのバックパック旅行、カフェでのアルバイトなどを経て、密かに憧れていた農業のアルバイトに挑戦するため、群馬県嬬恋村の農家に住み込みで働いた。農家での生活は想像以上の過酷さで、午後8時就寝、午前3時起床で、長靴と麦わら帽子という姿で働くという日々。ヘアスタイリスト生活とはかけ離れたライフスタイルで、晴れの日も雨の日も台風の日も休みなく、毎日働き続けた。また、その村に多く住んでいたベトナム人とともに生活し、日本にいながら言葉の通じない暮らしも体験。そんな数々の経験をした1年間から生まれた決意は、ヘアスタイリストとしてまた一からやり直すということだった。
その後、中目黒のサロンに入社し、7年間技術を叩き込まれた。顧客のほか、サロンのプロデュースに関わる業者の人たちや経営者たちとの出会いを通して、さまざまな人々の生き方に感銘を受ける。そんなころ、日本の外で勝負をするなら今が時期であるとの強い思いが湧きあがり、シンガポールへの海外転職が実現。
来星1年半、サロンマネジャーとして経営や人を育てることにも携わる。ゆくゆくは当地で独立することも考えている。将来は、ヘアスタイリストの職業そのものの価値を上げること、技術を教えること、日本のサービスや伝統、価値観をヘアスタイリストという職業を通してこの国から発信していきたいと新たな目標を掲げている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.242(2013年09月16日発行)」に掲載されたものです。

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