Vol.122

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水島弘美さん

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AsiaX Vol.122

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MOA - 椿 エグゼクティブ・シェフ。1969年生まれ、名古屋育ち。大学在学中に創業80年になるうなぎ屋でアルバイトをしているうちに料理に興味を持ち、卒業後同じ店で料理人として修行を開始、伝統ある老舗で約10年間鍛えられた。

その後外資系五つ星級ホテルでの和食総料理長などを経て、昨年来星。シンガポールの最初の印象はとにかく「暑い」。外資系ホテルでの勤務も長く、タイのホテルで料理の指導を行うなど、英語には抵抗がなかったにも関らず、最初はコミュニケーションが取りづらいと感じたことも。また、日本で料理人の厳しい世界に身を置いてきたので、現地スタッフの考え方の違いにも戸惑った。ただし、自分の意見をしっかり主張する点は見習うべきところだと感じる。おいしいものを食べてニッコリ笑う姿は世界共通。そういう笑顔を見るのは、料理人冥利に尽きる。
「MOA - 椿」の開店準備から携わっているが、苦労したことのひとつが食材の調達。日本と勝手が異なり、最初の頃は食材が時間通りに配達されなかったり、電話で『on the way』と言っていた配達がとうとう姿を現さなかったことも。現在は取引先とも互いに慣れて、スタッフ各人の意識もできてきたので、スムーズに事が運ぶようになった。この1年はとにかく仕事に集中していたので、休日でもゴルフに1日出かけるような気分になれなかったと苦笑するが、お誘いも増えているので、「そろそろ始めてもいいかな」とも。
得意料理は京懐石。四季折々の素材を取り入れ、コースの組み立てやバランスをトータルに考えて作り込む料理は、同店でも好評を得ている。
休日には他店へ出掛け、自ら客となって食事を楽しむ。時にはホーカーセンターへ足を運び、空心菜(カンコン)とビールで気楽に楽しむことも。甘辛く炒めたカエルのお粥もシンガポールで気に入ったメニューのひとつ。
目標は海外でしっかりとした本物の和食を伝えること。「苦しいこともあるだろう 言いたいこともあるだろう 不満なこともあるだろう 腹の立つこともあるだろう 泣きたいこともあるだろう これらをじっとこらえてゆくのが 男の修行である」という山本五十六の言葉を胸に、目標へ向かってまい進している。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.122(2008年05月19日発行)」に掲載されたものです。
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