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表紙の人

Vol.290

2015年10月19日

髙崎 友里絵さん

Minamoto Kitchoan Singapore Pte Ltd マネージング・ダイレクター 株式会社源吉兆庵 海外事業部所属

AsiaX290_cover神奈川県横浜市出身。父の仕事の関係で、3歳をマレーシア・ジョホールバルで約1年、12歳を同国サラワク州で約半年過ごした経験を持つ。「サラワク州では、各国の駐在員の子供が多い学校に通っていました。ある日、自国の文化を紹介するイベントがあり、周りの子供たちはしっかりと紹介できていたのに対し、私は日本のことをあまり知らなくて。その時、子供ながらに初めて “私は日本人”と意識したのを覚えています」。

 

中学進学に合わせて帰国するも、日本の生活には見えないルールがたくさん存在していることにショックを受け、自由な雰囲気の強かったサラワク州の生活が恋しくなることもしばしば。しかし一方、日本人であることを意識したことで、それまで知ることのなかった日本の伝統文化に興味が沸くきっかけにもなった。

 

高校卒業後は、東京学芸大学の国際理解教育課程に進学。日本研究を専攻し、茶道部に所属して留学生との交流を深めることで日本という国を見つめなおした。また、日本文化の人気が高いフランスへ1年間の交換留学も経験したことで、次第に日本の伝統文化を紹介できる仕事がしたいという目標を持つようになり、それが後の源吉兆庵への就職へと繋がっていく。

 

源吉兆庵を知ったのは、学生時代の就職活動中のことだった。ニューヨークやロンドンに支店を持つなど和菓子を世界に広める事業に共感し、入社を決意。念願だった海外事業部へ配属された後、髙崎さんのやる気も認められて、同社の女性初の海外駐在員が誕生。今年3月に来星し、日本人女性を代表するような、仕事への意識が高く細かい配慮もできるマネージャーになれるよう日々努めている。

 

「売上や利益増、上質なサービスの提供は当然です。加えて社員に対して不機嫌な態度をとったり、理不尽なことで注意したりせず、働きやすい職場環境づくりにまで気を配れる存在でありたいと心がけています」。時間が空けばチャイナタウンやアラブストリートを散策したり、趣味であるアルゼンチンタンゴの教室に通ったりと、プライベートも充実させることも忘れない。「今日も1日楽しく過ごす」、そんな目標を胸に、髙崎さんは今日も笑顔で店に立つ。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.290(2015年10月19日発行)」に掲載されたものです。

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