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Vol.285

2015年8月3日

マーライオン

Vol285_coverシンガポールを象徴する、頭部がライオンで、胴体から下は魚の像。1972年9月15日に故リー・クアンユー元首相によって除幕式が行われ、一般に公開された。「マーライオン(海のライオン)」の語源は、ラテン語の「マー(海)」と、国名の由来になったサンスクリット語の「シンガプーラ(ライオンの町)」を組み合わせたもの。
シンガポール大学(現シンガポール国立大学、NUS)の副学長だったクワン・サイケオン氏が構想、ヴァン・クリーフ水族館(現在は閉館)の館長だったフレイザー・ブルーナー氏が設計し、彫刻家のリム・ナンセン氏が制作した。高さは8.6メートル、重さは70トンで、体はセメントでできている。制作期間は1971年11月から1972年8月、制作費用は16万5,000Sドル(現在のレートで約1,522万円)。
当初はシンガポール・リバーの河口だったウォーターボートハウスの奥、アンダーソン橋の先に置かれていたが、配置上正面から見ることが難しい、水圧ポンプが故障して水が出ないなど、日本ではコペンハーゲンの人魚姫の像、ブリュッセルの小便小僧の像と並び「世界三大がっかり」の1つに数えられるほど評判が著しく悪かった。しかし、1997年にエスプラネード橋が完成したことで像が遮られてしまったこと、埋め立て地が広がり設置場所が河口とはいえなくなったことから、マーライオンが30歳になった2002年9月15日を機に、現在のマーライオン・パークへと移設。像の設置場所につき海側、東向きなど風水的にも慎重に検討した甲斐もあってか、その後、高層ビル群を背景にした夜景や、マリーナベイ・サンズを一望できるスポットとして人気を博す観光地へと変貌を遂げ、現在に至っている。
なお、シンガポール政府観光局によると、マーライオン像はマーライオン公園の親子、セントーサ島、マウントフェーバー、シンガポール観光庁の計5ヵ所に存在する。非公式ではあるが、アンモキオ・アベニュー1沿いのHDBの入り口にもペアで並んでいる。また、アメリカやイギリスをはじめとした友好国にも設置されており、日本では北海道北斗市の七重浜の湯、愛知県美浜町の食と健康の館でマーライオン像に出会える。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.285(2015年08月03日発行)」に掲載されたものです。

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