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TOKYO HOT TREND

迫りくる不況の波を乗りこなすには?

迫りくる不況の波を乗りこなすには?

「あれ、一つ足りない?」。忙しくなるとよく配達を頼む便利なお弁当屋さん。定番「からあげ弁当」にはから揚げが5つ入っていて、おいしくてボリュームも満点。ところがある時、から揚げの数が、4つになっていたのです。周囲を見渡すと、同じく「から揚げ弁当」を頼んだ同僚のそれを覗いてみても、やっぱり1個減っている。ついに来たか、不況のあおりめ……。これまで日本の不況が散々騒がれて、バターやら小麦粉やらが値上げされても、正直あまり実感がなかったんですよね。独身ですし、バターをしょっちゅう大量に使うほどの料理もしないもので。でも、この「から揚げ事件」(ちょうど今から3ヵ月ほど前でしょうか)を経験し、世の中が不景気だってこと、つくづく感じるようになりました。


そうして見渡してみると、カップラーメンも値段が上がっているし、どうやら缶コーヒーまで値上げするのではないかという噂まで。あるわあるわです。道理でお財布のお金の減りが早いはず……、いやそれは自分の散在体質が問題なのですが。


株などのことは詳しくないのですが、知らない私でも「これヤバイでしょ」って思えるほどの暴落が続くし、さらに最近は円高も問題になっていますから、今年の冬に日本へ帰るご予定を立てられている方は大変なのではないでしょうか。友人も3年間続けている外貨預金の心配をしていました。まさか、首相がみんなに12,000円を援助しようと思っているなんて考えもしませんでしたけどね。


ちなみに、消費者もシビアです。一時期は忙しいと一週間くらい連続で例の宅配弁当を頼りにすることもあったのですが、「から揚げ事件」以来、パタッと頼むことがなくなりました。しいていえば、値段を50円あげてもいいから、から揚げはやっぱり5個の方がよかったな。そしたら、今もお世話になっていたでしょう。え、ケチですか?でも、商売ってこんなものなんだなって、自分がお客という体験を通して実感しました。だって、きっとそこのお店も「から揚げ弁当を値上げするか、値段はこのままで量を減らすか」で悩んだはず。この選択で、少なくとも私たちという常連からの注文が激減したわけですから。


とある、世界的に有名な植物学者の先生が言っていました。「最高条件と最適条件というのが森林にも人間社会にも言える。ある特定の植物、人間にとっての最高条件は長くは続かないし、いつかゆり戻しが起きる。最適条件というのは、お互いがそれぞれ少しずつ我慢しあって共生していくこと」だそう。うん、今聞くと実に身につまされるお言葉。バブルで日本が背負ったカルマ、そろそろ解消されてもいい頃だと思うんですけど、まだまだ続きそうですね。というわけで、今回は東京HOTトレンドならぬ、東京BADトレンドでお送りしました。あー誰か景気のいい話をくれないものですかね。生きるのって大変です。

文=Tommy(東京在住・雑誌編集者兼ライター)

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.135(2008年12月01日発行)」に掲載されたものです。
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