コラム

企業内外・研修だより

「物の考え方」のフレームワーク紹介(1)「MECE」

今回からしばらく、日本ではかなり使い古された感のある「論理的思考・問題解決思考」についてお話ししてみたいと思います。ちなみに、今、アジアでは、この「論理的思考・問題解決思考」がかなりホットな教科として少しずつ注目を浴びています。まずは、皆様に以下の状況をお読みいただき、社員Mr Tanの言っていることが論理的な思考に基づいているかどうかをご判断ください。

場面:先日、百貨店のバイヤーチーム会議で売り上げ拡大のために、新規取引き先の候補選定が議題となり、選定を頼まれていた、あなたの部下、Mr Tanが、本日会議にて選定結果を報告しています。

Mr Tan:「私は、ヨーロッパの老舗かばんメーカーであるZ社を推薦します。ポイントは3つです。1点目は、品質が大変優れていること、2点目は、ブランド力に勝っていることです。ブランド力が抜きんでているということは、Z社の製品を扱うことで、わが社のイメージアップの要因にダイレクトに結びつくことが想定されます。 そして、最後の3点目は、Z社の製品はわが社がほとんど取り扱っていない領域であるということです。Z社と取引きすることで、新規顧客層を取り込めること間違いなしです」

さて、どうでしょう。Mr Tanの説明をお聞きになった上司の皆さん、納得されましたか?Mr Tanは論理的に説明していましたか?Z社に早速連絡を取ってみられますか?

実は、ここでぜひ活用していただきたいのが「MECE」という思考方法です。MECEとは、Mutually Exclusive and Collectively Exhaustiveの略で、日本語に簡単に訳すと「抜けなく、漏れなく、ダブリなく」といった感じになります。

簡単な例で、ご説明すると、「Japanese Seasons」という言葉をこんな風に分解したとします。

明らかにMECEになっていませんね。この概念をビジネスの中でも分析ツールとして応用するわけです。

最後に、MECE概念のおさらいとして、いくつかの質問をいたします。

  1. 人間という全体集合をMECEに分けると?
  2. 車という全体集合をMECEに分けると?
  3. シンガポールという全体集合をMECEに分けると?

MECEに分けられるものは枚挙にいとまがないわけですが、大切なのは、最初の切り口をどうおくか、ということになります。最初の切り口がうまくMECEにならなかった場合、分析はなかなか、うまくできません。ぜひ、お試しください。

協力=サイコム ブレインズ(アジア) プライベート リミテッド

文=Sandy齊藤

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.147(2009年06月15日発行)」に掲載されたものです。
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