コラム

企業内外・研修だより

企業内研修の現場(4)

前回に引き続き、弊社の失敗談後半のお話をします。

会社C(在上海)の課題(前回の振り返り)

優秀な中国人が応募してくる会社Cの課題は、経営学修士号(MBA)や経済学学士号を持ったスタッフの基礎知識不足。ある年、有名大学を卒業し、既に他社にてマーケテイング業務の経験を積んでいる、というスタッフを雇用。ところが、思ったような成果が出ない。

「マーケテイング基礎知識を再度きっちり教えてほしい」というご要望にお応えし、研修当日を迎える。

実際の研修中に起こったこと

この研修中に弊社が今まで見たことのない光景が起こってしまいました。

それは、研修第1日目、開始から2時間ほどを過ぎたころから始まりました。中国人参加者ほぼ全員が、持参したノートパソコンでチャットをはじめ、携帯電話でSMSを送り、講師の話をほとんど聞かない、という事態が発生したのです。

ランチの時に、一緒にオブザーブしていた会社Cの人事担当者(中国人)に聞いてみると「簡単すぎて誰も面白いと思えない」との不満の声。早速講師にこれをフィードバック。なんとか体制を立て直そうとしても講師も既に半日分を元々の依頼に沿って進めているので、あとに引けない状態。なんともできず、とにかく第1日目は仕方がない、ということでできるだけたくさんの双方向講義を取り入れ、なんとか乗り切りました。

そしてその夜、講師とサイコム担当者は深夜までテキスト内容の改善会議をし、準備してきた第2日目の内容を大きく一新しました。実際のC社の競合他社のマーケテイング戦略分析に焦点を当て、さらにもっと実務で使えるスキルを教えていくことに方向をすっかり変えました。

結果

緊張をして迎えた第2日目。朝一番からC社全社で本気で取り組んでいる競合他社分析の初歩編。みるみるうちに参加者が食いついてきました。その日は、大いに議論あり、笑いあり、つっこみあり、のあっという間の1日でした。

ここから弊社が学んだことは、ローカルの方々の課題は、日本人駐在員には見えていないこともある、ということです。本当にC社の中国人スタッフが学ぶべきは、「マーケテイング基礎」ではなく、実際の市場分析とその読解、現実的な経済状況を読みこなしながら、戦略立案をする、という部分だったのでした。

協力=サイコム ブレインズ(アジア) プライベート リミテッド

文=Sandy齊藤

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.139(2009年02月16日発行)」に掲載されたものです。
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