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嶋津良智の「リーダーにつける薬」

2014年4月7日

私が営業で売れた理由

私は以前営業をしていた頃、部下から「なぜ、嶋津さんはそんなに売れるんですか?」と聞かれたことがありました。それまでそんな理由を考えたことがなかったので、その答えを知りたくなり、他の営業と同行営業を繰り返し、売れる営業とそうでない営業の調査分析をしたことがありました。その結果、細かい差はさて置いて、明らかな違いを3つ見付けました。

 

 

1つは、お客様先に行く前の心構えの差です。私はお客様先へ行く前にはいつも「絶対に契約をもらう」「俺が説明をするんだから契約をしてくれないわけがない」など、自分に言い聞かせる意味を含めて常に強い姿勢を持つように心掛けていました。
また、自分が契約をいただくための儀式として、イチローではありませんが、お客様先へ行く前に必ず行う「パフォーマンスルーチン」もありました(具体的にどうしていたかは言葉では説明できませんので省略)。

 
売れない営業の特徴は「契約をもらえたらいいな」「今日もらえたらラッキーかな」程度の姿勢で臨んでいる場合が多いと感じました。やはり強い姿勢と自信は、話にパンチ力や説得力が増します。

 

 

2つ目は、先日「準備が成果を変える」というお話をしましたが、見込みのお客様などは、やはり、徹底的に分析をして作戦を練って、イメージトレーニングではありませんが、契約をいただけるまでのシミュレーションは欠かしませんでした。
人は見えない未来に対して不安になります、ですから、準備を念入りにすることで今自分がやろうとしていることに見通しがつくことによって「これならいける!」という自信が生まれ、行動力も生まれます。

 

 

最後の3つめは、クロージングの「強さ」と「タイミング」の差です。売れる営業は、他の営業に比べて明らかにクロージングが「早く」「強く」「適切」だと感じました。
売れない営業は、クロージングが「遅く」「タイミングが悪く」「弱い」という3拍子だったのです。

 
あなたも経験があると思いますが、お客様は「買うか?」「買わないか?」という微妙なところにいるときは、お客様自身が買うための理由探しをしているだけなので、こちらから買う理由を強く提示した方が売れる確率は高められます。

 

 

いい機会なので、あなたも自分の身の回りで、「売れる営業」と「売れない営業」の比較調査をしてみてください。あなたの仕事に劇的な変化をもたらしてくれるかもしれません。

文=嶋津良智(しまづよしのり)


株式会社リーダーズアカデミー
代表、シンガポール在住。
2度の株式上場体験を活かし、日本・シンガポールを始め、アジアを中心に経営コンサルとして活動。世界9ヵ国12都市でチャリティーセミナー実施。
最強の部下を育成し、最強の組織を作る、業績向上のための独自プログラム『上司学』が好評を博す。著書7冊執筆、韓国・台湾でも翻訳されている。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.254(2014年04月07日発行)」に掲載されたものです。

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