コラム

シンガポールのクルマ事情

ハイブリット車って、シンガポールでも経済的?

日本では、近年新車販売台数が低迷する中、ハイブリット車が群を抜いてトップセール商品となっています。燃費が良いので当然の成り行きだと私も思いますが、シンガポールではどうして、それ程売れていないのでしょうか。

シンガポールでもハイブリット車や天然ガス仕様の車両には、グリーンビークルリベートスキームと言われる減税処置を受ける事が出来ますが、それでも車両価格が同クラスと比較した場合に割高なので、日本の様にトップセールス商品にはなっておりません。どこがどう割高なのか、わかる範囲で説明してみます。

税金等の面での比較

    普通一般車 ハイブリット車
1 輸入税 OMVの20% OMVの20%
2 追加登録料 OMVの100% OMVの60%
3 COE 入札制 入札制
4 ロードタックス エンジン排気量により異なる エンジンかモーターのどちらかのロードタックス料で、高くなる方とする
*OMV:
輸入する際に税関局にて算出される課税対象価格(車両コスト、輸入運搬費用、海上保険等が含まれた価格を基にした価格)。
*ロードタックス:
現在の所、エンジンのロードタックス料金がモーター出力によるロードタックス料金より高くなるので、エンジン排気量からのロードタックス料がハイブリット車のロードタックスとなっているケースが殆どです。

その他の違い――スクラップバリュー

シンガポールでは、左記の追加登録料を新車登録時に支払うのですが、車両を登録抹消する場合、支払った追加登録料が最大で75%程返金されます。丁度10年(厳密には10年の1日前)でスクラップ(登録抹消)にした場合、追加登録料の50%が戻りますが、ハイブリット車の追加登録料は購入時に既に減額されているので、返金額もその分低くなります。

では、現在、市場で販売されているハイブリット車を例としてエンジン車と比較してみます。

ハイブリッド車 トヨタエスティマ2.4X
ハイブリット(並行輸入)
トヨタプリウス 1.8
(ボルネオモータ社)
ホンダインサイト 1.3G
(並行輸入)
市場小売価格 $145,000~$153,000 $119,888 $88.000~$92,000
同クラスの
エンジン車
トヨタエスティマ2.4
アエラス(並行輸入)
トヨタコロナプレミオ1.8X
Lパッケージ(並行輸入)
ホンダシティー 1.3
(カーモーター社)
市場小売価格 $138,000~$140,000 $105,000~$108,000 $80,800

*上記市場小売価格にはCOEを含んでいます。価格は、2010年3月29日現在のものです。

上記の価格を見てもハイブリット車の価格が高く、スクラップ時の返金額も少なくなるので、違いが大き過ぎて維持費としてのガソリン代だけでの節約では埋める事が出来ず、シンガポールではそれ程売れていないのが現状です。

ハイブリット車の新車価格が高いのは、日本からの車両コストが高く、課税対象価格も通常のエンジン車より高くなるので、輸入税(20%)と追加登録料(100%)分が比較的高額になるのが、その理由となります。シンガポールでもエコブームなので、もう少しエコカーに対しての減税処置が取られることを市場は心待ちにしている状態です。

文=木田泰嗣(JUN TAIYO (S) PTE LTD

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.164(2010年04月05日発行)」に掲載されたものです。
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