コラム

シンガポールのクルマ事情

今年の車両取得権利証(COE)は高騰しそう? ってどうなってるの?

最近の景気回復傾向に伴い、シンガポールでの車両価格が高騰し始めていますが、その大きな理由として車両取得権利証(COE)の落札価格上昇が挙げられます。

COEとは、Certificate Of Entitlementの略です。1990年5月から当地では新車を取得するための権利証であるCOEを入札にて発行、落札された数のみ新車を登録できるという制度(Vehicle Quota System)が開始されました。

毎年3月に、5月から翌年の4月末までのCOE発行部数が政府より発表され、毎月2回開催される入札会にて落札されるシステムとなっています。毎年のCOE発行数によってシンガポール島内の全自動車登録台数をコントロールしており、一年で約3%の車両の増量を許容範囲と見込んで、政府は新規車両登録台数分のCOEを毎年定めています。

最近、島内での渋滞が増え、車両が増えている感じがしますが、表のとおり、特に2006~2008年は前年比5~6%と政府が許容範囲としている3%よりも増えています。これは、見込んでいた車両登録抹消台数よりも実際に行われた登録抹消台数が少ない為、道路上の車両が増えた結果によるものです。

シンガポールの年別車両登録台数
  車両登録台数
自家用車、商用車、タクシー、バイクを含む
前年比
増加率
車両の登録抹消台数
スクラップ処分や、車両の輸出による登録抹消など
COE発行部数
新車登録台数
2004年 727,395台 2.30% 114,870台 134,164枚
2005年 754,992台 3.79% 117,461台 144,749枚
2006年 799,373台 5.88% 104,809台 139,647枚
2007年 851,336台 6.50% 81,555台 125,353枚
2008年 894,682台 5.09% 77,920台 110,354枚
2009年 925,518台 3.45% 58,102台 83,789枚

2009年末時点で登録から5年以上の車両が全体の16.6%程しかなく、車両の廃棄処分を含めた抹消台数はそれほど見込めないため、2010年も登録抹消台数は減る傾向にあり、政府も新規登録枠(COE発行部数)を減らさざるを得なくなっています。

車両登録分布(2009年12月末、乗用車のみ)
  1年未満 1年~3年未満 3年~5年未満 5年~10年未満 10年以上
台数 68,464台 203,208台 209,653台 74,488台 721,205台
割合 11.9% 35.2% 36.3% 12.8% 3.8%

よって、景気が回復しているにも関わらず、COEの枠は昨年よりもさらに小さくなる予定ですので、今年はCOEの落札価格の高騰が予想され、結果、新車の販売価格も上昇する見込みです。

参考:陸運局ウェブサイト

文=木田泰嗣(JUN TAIYO (S) PTE LTD

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.162(2010年03月01日発行)」に掲載されたものです。
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