前回お話したバッテリー上がりの次に多いトラブルが、ラジエター内のさびによるオーバーヒート。これも湿気が多いことが理由です。ラジエターにさびを発生させ、そのさびが目詰まりを起こして水漏れの原因となります。
日本よりも頻繁にラジエターのクーラント(冷却水)を交換し、出来るだけ綺麗に保つ事でさびの発生を防げます。ただ、クーラント交換時に中のエアーをしっかり抜かないとオーバーヒート気味になったり、エアーに含まれている水分からさびが発生しますので、熟練者によるクーラント交換をお勧めします。
水温計が上昇してきた場合
水温計の表示が半分より高い場合はオーバーヒート気味です。車を止めて、ボンネットを開け、ラジエターのサブタンク内のクーラント量を確認します。
停車時にエンジンを掛けてエアコンをオンにし、ラジエター部のエアコンファンが回っているか確認して、しばらくエンジンを掛けると、エアコンファンの横にあるもう一つのファンが回り始めるはずです。このどちらかのファンの回転が遅くなっている場合、水温が上昇し、オーバーヒートの原因となります。
走行中に水温の上昇に気付いた場合
エアコンは切らないで、ラジエターの後部にあるエアコンファンを回し続けて冷却効果を保ちます。ヒーターが付いている車種の場合、1~2分ほど設定温度を最大にしてヒーターを入れると、冷却水の絶対量が増えますので若干ですが水温を下げることができ、あと少しだけ運転が可能になります。ただ、出来るだけ早く車を側道に止めて水漏れが無いかエンジンルーム内を確認しましょう。特にラジエターやラジエターホースの接続部を確認。ラジエターのリザーブタンク内の水量も確認します。ある程度水温が下がったら、タオルや厚手の布を使ってラジエターキャップをゆっくりと半分ほど回し、ラジエター内からクーラントが噴き出さないか確認します。何も出ないようならラジエターキャップをフルに回して外します。水が減っている場合は適当な水で結構ですので補充し、キャップを閉め再度エンジンを始動します。水温計上で針が半分以上になった時にラジエターファンが回っているかどうかを確認します。
もし、水漏れを確認できた場合、漏れている部分を交換しないままでの運転は避けた方が良いのですが、もしファンの周りが遅く、冷却効率が悪くなったせいでオーバーヒート気味になった場合は、ラジエターに水を足して、ある程度の低速走行で、目的地まで到着できるケースもあります。ファンモーターの周りが悪い場合、そのファンモーター部を、タイヤレンチで3~4回程叩いてやり、ショック療法にて一時的に回復する場合もあります。
ただ、水温が赤い目盛まで上がってしまう場合は、即エンジンを停止し最寄りの修理工場へ搬入してください。オーバーヒートを起こすと、その原因の修理の他に、オーバーヒートによる損傷部分の修理も必要になる恐れがあります。シリンダヘッドカバーガスケットが抜けてしまい、ヘッド上面の平面研磨を要する事が多いのですが、それ以上の修理を要することもありますので、水温計が赤い目盛に達する前にはエンジンを停止して下さい。
文=木田泰嗣(JUN TAIYO (S) PTE LTD)
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