シンガポールで新車を購入する場合、必ず新規車両登録権利書(COE、Certificate Of Entitlement)を取得する必要があることは多くの方がご存知かと思います。
まずはCOEに関して、簡単に説明します。COEは、当地での車両登録台数を制限する目的で1990年5月から始まったシステムです。毎年、あらかじめ1年間のCOEの発行部数をカテゴリー別に発表し、その決められたCOE数のみが新規車両の登録可能台数となります。COEの発行部数は、最近の登録抹消車両台数と今後の傾向を加味し、約3%の登録台数の増加を上限と予想し算出されています。
COEのカテゴリーは5つあります。カテゴリーAはエンジン排気量1600㏄未満、カテゴリーBはエンジン排気量1600㏄以上、カテゴリーCは商用車・バス、カテゴリーDはモーターサイクル、カテゴリーEはオープンカテゴリーで、1回に限り名義変更が可能、またどのカテゴリーの車両にも適用可能です。
COEは、月2回実施される入札会にて落札価格が決まります。新車の需要の度合いでCOE落札価格も上下します。現在、COEの入札はインターネットを利用し、リアルタイムでCOEの落札可能価格を確認しながら、応札が可能となっています。2001年11月までは旧式の方法で当地陸運局に銀行のキャッシャーズ・チェックを送付して応札していましたので、入札会ごとの落札価格が1万ドル以上変動する事が良くありました。現在のシステムが導入されてからは過度な高騰や下降は無かったのですが、今年11月に初めてカテゴリーAのCOEが$10,455から$2まで急落しました。
新車需要の低下でカテゴリーAの応札数が急減し、実際の新車購入数が締め切り直前までCOE発行部数を下回るという、いわば「定員割れ」の状態になったことが、今回のような近年まれに見る暴落につながりました。
2008年5月から2009年4月末までの1年間のCOE発行部数は、カテゴリーAが48,847、カテゴリーBが26,376、カテゴリーCが9,049、カテゴリーDが10,684、カテゴリーEが20,990となっています。毎月2回、年間24回の入札会が行われることから、カテゴリーAの場合、ひと月あたり約4,070となります。各自動車ディーラーがこの限られたCOEの供給内で競争しています。日本ではトヨタクラウンの今年9月の月間販売台数が4,391台と、既にシンガポールでのカテゴリーA全体を上回ってしまいます。ちなみにトヨタカローラは12,176台。やはり日本市場は比較にならないくらい大きいと言えます。
次回は、COE落札価格が決まるまでの仕組みや、2008年のCOE価格の推移などを見ていきます。
文=木田泰嗣(JUN TAIYO (S) PTE LTD)
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