60年代後半からのシンガポールの高度経済成長に伴い自動車の需要も高まり、交通インフラの構築急務が課された政府は、自動車の輸入税と国内での追加登録料(Additional Registration Fee)徴収を決定しました。72年に輸入税を40%まで引き上げ、74年には追加登録料を55%まで引上げました。追加登録料はその後も段階的に上昇、80年には150%まで上がりました。それでも自動車の需要が強く、交通渋滞の懸念からCOE (Certificate Of Entitlement) と言われる車両取得権利制度を設け、その発行部数をコントロールする事で登録台数の制御を図ることになりました。また、COEの有効期限は10年とし、車両の登録抹消台数と、いつ何台満期が来るかを把握できるようにしました。
このCOEシステム(別名VQS=Vehicle Quota System)は、ベルギーの制度を参考にしたそうです。
COE導入は1990年5月、当初は月1回の入札で、COEカテゴリーも1000cc以下、1001~1600cc、1601~2000cc、2000cc以上、商用車、モーターサイクル、オープンカテゴリーと細かく分かれていました。
90年のCOE落札価格は数千から1万ドルの間でしたが、翌年には最高1万4千ドル、92年には3万数千ドルに上昇、97年には7万5千ドルまで上がりました。しかし、97年末に発生したマネークライシスにより、97年12月には6万ドル以上だったCOE(カテゴリー4)が98年1月には50ドルまで急落、これを機にCOE落札価格は下がり基調になり、ばらつきが目立つようになったため、税収と市場価格の安定を図るために99年5月から入札を毎月2回実施に変更、プライベート車両のCOEカテゴリーが、1600cc以下と1601cc以上の2つに統合されました。
2001年7月から現在のオープン入札制となり、インターネットでその時点での落札価格を見ながらリアルタイムで応札できるようになりました。結果、落札価格の上下幅が少なくなり車両販売価格もある程度安定する事となりました。
ただ、政府指導で発行部数がコントロールされていて、年に2回発行部数の見直しがあり、突然発行部数が25%増えたり、20%減ったりしますので、その直後の変動は大きく、市場変動性ではありません。
文=木田 泰嗣(JUN TAIYO (S) PTE LTD)
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