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ドクター・グリーンのワンポイント医療情報

2014年7月21日

下半身の筋力低下と慢性痛

 加齢により筋肉量は減少しますが、下半身の筋力は上半身に比べ3倍のスピードで低下していくといわれています。この下半身の筋力低下が慢性痛に関連しています。

 自分の身体を支える筋肉で最も大切なのは太ももの前にある大腿四頭筋と呼ばれる筋です。加齢により筋力の低下が最も現れる筋でもあります。低い椅子から片脚で立てなかった方はこの筋肉の筋力・筋量の低下が見られ、筋代謝は少ない負荷で乳酸性代謝を起こすようになります。乳酸性代謝は筋肉を硬くする交感神経を活性化し、安静時にも筋肉(呼吸筋をはじめ自律神経と関係する筋肉)の緊張を生じさせます。この状態が長く続くと背骨のS字カーブ(湾曲)が減少し、身体のバネの機能が低下してしまいます。まっすぐになった背骨では物理的ストレスを絶えず受けてしまうので、なかなか治らない痛みを生じさせることになります。

 こういった安静時の筋緊張を防ぐには、有酸素運動と下半身の筋力トレーニングが必要です。手軽にできる有酸素運動としては、ウォーキングや水中ウォーキング、バイクなどがあります。下半身のトレーニングとして、スクワットや四股、階段の上り下りなどは手軽にできるエクササイズです。

 なかなか治らないコリや痛みがある場合は医師に相談し、適切なリハビリテーションを受けましょう。

この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.261(2014年07月21日発行)」に掲載されたものです。

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