シンガポールのビジネス情報サイト AsiaXライフTOP【第1回】今、資産運用が必要な4つの理由

シンガポールだからこそできる「お金の殖やし方」

2013年10月7日

【第1回】今、資産運用が必要な4つの理由

はじめまして。海外資産運用アドバイザーの三方麻琴(みかたまこと)です。現在、私はシンガポールと日本で「わかりやすい」をモットーに資産運用の教育活動を行っており、すでに1,000名を超える日本人の方に対して資産運用の教育・アドバイスを行ってきています。

AsiaXの読者の皆様にとって大切なお金を守り、殖やしていく上で必要な資産運用方法・知識・情報をしっかりお伝えしていきますので、これからよろしくお願いいたします。

どうして今、「資産運用」が求められているのか?

ここ数年で「貯蓄から資産運用へ」という言葉を日本でよく見聞きするようになりました。

そもそも、資産運用とは「自身の持つ資産を投資し、効率的に資産を殖やしていくこと」を言います。つまり、“お金に働いてもらい、お金を生んでもらおう”というものです。

資産運用の方法は様々あり、リスクを低く抑えて着実にお金を殖やし、初心者でも1,000円から簡単・手軽にできるような資産運用方法などもあります。

そして、年々「貯蓄から資産運用へ」という傾向は強くなってきているようで、銀行や証券会社などでは、好感度の高い有名人を起用してテレビCMを行うケースも増えてきています。

それでは、どうして今、「資産運用」が求められているのでしょうか?

資産運用を行う環境が整備され、みなさんが気軽に資産運用をできるようになったからでしょうか?それとも、資産運用を行う人たちが増えれば、その窓口となる銀行や証券会社の顧客が増えるからでしょうか?

もちろん、それらも間違いではありませんが、本当の理由は他にあります。

今、資産運用が必要な4つの理由

資産運用が必要な本当の理由。

それは、「預金金利の低下」・「年金問題」・「インフレによる資産の目減り」・「増税などによる国民負担増」の4つです。

1つずつ簡単にご説明しましょう。

(1)預金金利の低下

「無駄遣いしないで貯金しなさい!」「投資は危険!」と親に言われ、銀行や郵便局にお金を預けてきた人も多いのではないでしょうか。しかし、親の時代と今は変わりつつあります。

この30年の間に、普通預金の金利は約3%から0.02%以下、定期預金の金利も約6%から1%以下が当たり前というレベルまで低下してしまいました。

「貯蓄」と呼ばれるこうしたお金は、かつては高い金利のおかげでただ預けているだけで殖えていきましたが、バブル崩壊後のゼロ金利政策による低金利時代の幕開けとともに、銀行や郵便局に「ただお金を預けているだけ」では、貯金はなかなか殖えなくなってしまいました。

(2)年金問題

日本は今、年金問題を抱えています。日本では「少子高齢化」が急速に進み、2000年では3.6人で一人の年金受給者を支えてきましたが、これが、2025年では1.8人で一人、2050年では1.2人で一人の年金受給者を支えなければならないと予測されています。

現実的に考えて、やはり、老後の生活費を年金だけに頼るのは難しいと言わざるを得ません。事実、老後の生活について不安を抱える人は、じわじわと増えてきており、アンケートなどで「老後の生活が非常に不安である」と答える日本人の方がなんと約50%にものぼります。

ちなみに、夫婦がゆとりある老後を送るためには、いくらお金が必要なのでしょうか?

答えは・・・「1億980万円」です。※(公財)生命保険文化センター/平成22年度『生活保証に関する調査』より。

「1億円」という数字をみると、なんだか非現実的な感じがしますよね。私が初めてこの数字を知ったときは、そう思いました。

しかし、これが現実的な数字です。もちろん、これを老後までにすべて用意しておかなければならないわけではありません。65歳以降、日本では公的年金を受給できます。ですので、ここから公的年金で受給できる金額を差し引いた、“4,770万円”が、老後までに用意しておいた方が良い金額、ということになります。車の購入、旅行、病気などさらなる出費を考えるのであれば、それ以上の金額を用意しておく必要があります。

(3)インフレに伴う資産の目減り

インフレとは、簡単に言うと、100円だったジュースが120円になる、ということです。つまり、これまで100円で買えていたものが、100円で買えなくなるということになります。これは、お金の価値が低下することも意味します。

もっとわかりやすくお伝えするために別の極端な例えで言えば、300万円の貯金があったとして、100万円で購入できるバッグがあったとします。そのときに買っていれば、貯金は残り200万円です。

しかし、それが、インフレによって価格が250万円になったとします。そうすると、同じ100万円で同じ物を購入することができなくなり、そのバッグを購入するためには、さらに150万円を加えなければならなくなり、同じバッグを手に入れたとしても、残りの貯金は50万円しかないことになります。

このことは、みなさんが持っている資産の価値が目減りしている、ということを意味します。

アベノミクスによるインフレターゲット2%政策、公的債務の増大、社会保障費の増大、経常収支の悪化、財政の悪化、人口動態の悪化……インフレをもたらす要因が日本にはたくさんあります。

(4)増税などによる国民負担増

大増税、消費税アップ、年金支給額減、医療費負担増など国民の負担は増えるばかりです。

国民の負担が増えれば、支出が増え、手元に残る資産も少なくなってしまいます。そうなると、これまでできていた貯金もできなくなるか、金額を減らさなければならなくなりますし、下手をすれば、毎月貯金を切り崩さなければならないかもしれません。

このように、今までの「貯蓄」で何とかなった時代から資産運用が必要な時代にどんどん変わってきています。

そして、そんな時代でも、例えば、結婚、子どもの誕生、住宅の購入、子どもの教育、老後……といったお金のかかる人生のイベントがみなさんを待ち受けています。

それでは、具体的にこれらのイベントにはどのくらいお金がかかるのでしょうか?

例えば、婚約・結納から新婚旅行までにかかる「結婚費用」の平均は421万円、幼稚園〜大学まで「子ども1人にかかる学習費」は、すべて国公立に通った場合で約1,000万円・すべて私立に通った場合で約2,300万円、「夫婦2人がゆとりあるセカンドライフを送るために必要な生活費」の平均は月額約36万円……といった調査結果があります。

もう「貯蓄」だけで人生で必要な資産を形成できる時代ではなくなってきました。

「これらの資金をどの段階でどう準備していくか」という将来を見据えた資産運用計画を考え、効率的な資産運用を行っていく必要があります。

資産運用をしないことがリスク

このような時代の中で、「資産運用をしないことがリスク」になってきています。

それでは、どうやって資産運用をしていけばいいのか?

冒頭でお話したとおり、資産運用の方法は様々あり、リスクを低く抑えて着実にお金を殖やし、初心者でも1,000円から簡単・手軽にできるような資産運用方法などもあります。

具体的に少し触りだけお話すると、「毎月積立で、投資先を複数に分散させて投資し、その投資先選びなどの運用自体をプロに任せる」という運用方法など、リスクを低く抑える資産運用方法としては、いろいろな方法があります。

これから本コラムを通して、シンガポールにお住いのみなさんにとって必要な資産運用方法・知識・情報を全てお伝えしていきたいと思います。

今回みなさんが資産運用の必要な理由を知ることで、「資産運用ってよくわからないからできない……」という意識から「どうやって資産運用をしていけばいいのか?」という意識に変わったのであれば、本コラムはみなさんのお役に立つことができると思います。

mikataaプロフィール

三方 麻琴(Mikata Makoto)

M&R Partners Pte. Ltd. Managing Director

– Official site: http://mikatamakoto.jp

– Official blog: http://mikatamakoto.jp/blog.html

– Official mail magazine: http://mikatamakoto.jp/mailmaga.html

※この記事は、シンガポールの日本語フリーペーパー「AsiaX Vol.243(2013年10月07日発行)」に書ききれなかった内容・補足をご紹介しています。

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